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業績相場の第2ステージ

2006年10月26日

吉野 貴晶

3月期決算企業の9月中間決算発表が本格化に向かう。毎年、中間決算発表では6割程度の企業が業績の修正を行う。そして例年、この時期の市場では業績の上方修正銘柄が注目される。

今年はとりわけ中間決算発表への投資家の注目度合が高い。それは8月にかけて行われた第1四半期決算の発表後でも、依然として会社側の今期の業績が保守的(厳しく見積もっていた)であったためだ。従って中間決算発表で、その分も含めて上方修正銘柄が相次ぐものと期待されている。

上方修正銘柄が相次げば、拡大トレンドを持続する企業業績に対して投資家の意識が特に強まる。そこで「業績相場」の到来が考えられる。

ところでこの業績相場は何か?以下で整理した。相場の循環は通常な以下の経路で考えられる。「金融相場」から「業績相場」に移行し、その後「逆金融相場」そして「逆業績相場」の順だ。金融相場と業績相場は株価が上昇局面。そして逆金融相場と逆業績相場は株価が調整する場面である。

最初の金融相場は業績は縮小する。しかし、それを上回る金利低下により株高となる。相場の上昇初期の局面がこれである。その後、低金利政策が奏功して景気が回復すると、金利は上昇してくる。業績相場はこの金利上昇の株価へのマイナスを上回り、業績が拡大することだ。その恩恵で株価が上昇する。その後、業績拡大の株価へのプラスに対して、金利上昇による株価へのマイナス寄与が上回る。この株安が逆金融相場である。

現在は「金利上昇、且つ業績拡大」の業績相場だ。そして筆者は投資家の物色の選別を考える上では、業績相場を2つのステージに分類する必要があると見る。第1ステージではグロース銘柄が物色され、第2ステージではバリュー銘柄が物色されると考える。

第1ステージは、景気や企業業績が底値から回復する過程の場面である。例えば1999年末までのIT相場がこれに該当するだろう。

第2ステージは業績相場の下期であり、企業業績の拡大が順調な場面だ。これが足元に該当する。例えば1999年末は業績相場の上期から、下期への移行が訪れなかった。これは2000年8月に金融当局がゼロ金利解除を行ったためと考える。当時は第2ステージが訪れなかった。金利上昇の株価へのマイナスが業績拡大のプラスを上回った。そして急速に逆業績相場に移行してしまった。

筆者は業績相場の第1ステージは、ROEや増益率を中心に銘柄選択を行うべきと考える。そして第2ステージはPERやPBR等のバリュー指標での選別が効果的と見る。業績相場の第2ステージは企業業績が概して拡大するため、企業の増益率やROE等にバラツキがみられなくなる。グロース物色は銘柄間の差が手掛かりとなるだけに、バラツキがないと銘柄選別が難しい。また本格的な金利上昇期に移行する過程はグロース銘柄が厳しくなる。株価は企業が将来に亘って生む利益が現在、どの程度あるか?を投資家が評価するものである。グロース銘柄は将来の期待される利益が大きいと期待される銘柄だ。このため金利が上がれば、足元の価値の低下する度合いが大きくなる。

更に、将来的な逆金融相場への移行を考慮した上でもPERやPCFR(株価キャッシュフローレシオ)など、オーソドックスな指標に注目したいところだ。

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