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国際監査・保証基準審議会の諮問助言委員会に出席して

2006年07月14日

金融調査部 主席研究員 内野 逸勢

「国際会計基準」という言葉があまりにも有名であるため、「国際監査基準」という言葉は影に隠れた感があるが、監査基準も会計基準と同様に国際的に収斂される方向にある。監査基準とは、企業が財務諸表を作成する際に会計基準を適切に適用しているか否かを、監査人が一定の独立性を確保して検証する拠り所となる基準である。この観点からすれば、国際監査基準は国際会計基準の適切な運用を確保するために重要な意味を持っている。

国際監査基準の設定に中心的役割を果たす機関が、国際監査・保証基準審議会(IAASB; International Auditing andAssurance StandardBoard)である。筆者は、昨年12月(ロンドン)と今年の5月(パリ)、我が国の証券業界の代表として、このIAASBの諮問助言委員会(CAG;Consulting AdvisoryGroup)の国際会議に出席する機会を得た。同委員会は、120カ国・163機関からなる国際会計士連盟(IFAC; InternationalFederation ofAccountants)内に設置されている。目的は、IAASBに対して、規制当局者、財務諸表のユーザーの立場から第三者として諮問・助言することである。両会議とも二日間にわたって開かれ、各機関の代表者約45名が朝から晩までホテルの会議室に缶詰になり、丁寧かつ真剣な議論を交した。筆者も、数百ページに及ぶ会議資料に目を通し、時差と戦いながら議論に参加した。

パリで開かれた会議の当日の朝、我が国の大手企業の粉飾決算、それに絡む監査人の刑事責任の追及、大手監査法人に対する金融庁の行政処分が新聞紙面を飾っていた。さらに最近では、4大監査法人が公認会計士・監査審査会によって内部管理に不備があるとの指摘を受け、監査報告、監査制度の信頼性が揺らいでいる。我が国においても、特に財務諸表のユーザーは、会計基準だけではなく、監査の役割と監査基準の重要性をより一層認識し、意見すべき時期に来ていると考えられる。

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