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商品インデックスファンドの分散投資効果

2006年07月04日

安 智弘

世界的な商品価格高騰に伴い、商品先物を投資対象とする商品インデックスファンド、あるいはCTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)と呼ばれる商品型ヘッジファンドに投資する投資家が増加している。

投資理論の教科書によると、期待インフレ率の高まりは株式・債券といった金融資産価格に対し短期的にはマイナスに作用するのに対し、商品価格にはプラスに作用するとされている(インフレは商品価格の上昇を表す)。また、経済活動の阻害要因となるテロ、戦争、自然災害などのイベントは、金融資産価格にネガティブなインパクトを与えるのに対し、供給低下懸念や資金逃避から商品価格には短期的価格上昇要因となるケースが多いとされている。そのため、投資家の多くはこれら商品関連投資を、1)インフレに対するポートフォリオ分散投資効果を高めるため、および、2)イベントリスクに対するヘッジ機能を高めるため、に行っていると予想される。

これらの効果を日本の投資家向けデータで確かめるため、過去20年の月次リターンを用い、1)国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4資産指数に均等ウエイト投資した場合、および2)国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、商品先物指数の5資産指数に均等ウエイト投資した場合に対し1万回のシミュレーション実験を行い、連続する3期間(3ヵ月分)のリターン分布を算出したものが下のグラフである(※1)

4資産に商品インデックスを加えることにより、連続する3期間(3ヵ月分相当)において5%を超えるマイナスリターンを示す比率は6.8%から2.5%程度へと大きく減少し、ポートフォリオ全体の下値抵抗力が高まることが確認できる。

ただし、商品インデックスファンドは株式と同様に短期的な値動きが激しく投資タイミングを見極めることが重要である。時間分散投資を図ることにより徐々に投資残高を増やしたい商品である。

(※1)国内株式、国内債券、外国株式、外国債券および商品先物の代表的なインデックスの月次リターンデータ20年(円ヘッジベース)を基にシミュレーションを行った。データ期間は1986年5月~2006年4月。

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