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BRICs台頭で高まる再生可能エネルギーへの注目

2006年02月20日

山田 雪乃

地球はひとつ、だから環境を守ろう」ひと昔前に聞かれたような優等生的な発想ではなく、現実に環境がビジネスになる時代になってきた。

BRICsの高成長が注目を浴びているが、新興国経済が拡大すればするほど生産活動は活発化し、エネルギー源を確保する動きは一層激しくなっている。過去数年間の世界経済成長の約3分の1がインドと中国によるものであり、中国の石油需要は過去10年間で倍増して世界需要増加分の約4割を占めた。IEAは世界の1次エネルギー需要が2030年には02年の約60%増の年間14,000~17,000Mtoe(1Mtoe=石油百万トンに換算)に達すると予想している。

地球温暖化抑制のための「京都議定書」発効に、折からの原油価格の高騰も加わり、石油など化石燃料に依存しない「再生可能エネルギー」への注目が一気に高まっている。再生可能エネルギーとは、水力、地熱、太陽光、風力、バイオマスなどの総称。エネルギー自給率の向上や地球温暖化対策の観点から有力視されている。日本での普及率は2.1%に過ぎないが、スウェーデンでは16.3%、デンマークでは12.0%に達する。IEAは、世界で再生可能エネルギーの占める割合は、2030年には一次エネルギーに対して14%、総発電量に対して19%に上ると予想している。

このような中、世界的にみた資本市場における再生可能エネルギーに対する投資額は、05年の約300億ドルから2012年の1,000億ドル規模へ膨らむと予想されている(全米再生可能エネルギー協会)。05年10月にはドイツ市場で太陽電池のQセルズが約4億米ドル、11月にはナスダックでサンパワーが約1.4億米ドル調達した。代替エネルギーへの需要増とともに、供給サイドでも技術的改善によるコスト削減が進められ、投資採算が見込まれる水準になってきたことが推進力になっている。米国では天然ガス価格の高騰や風力業者への減税措置の延長(05年末→07年末)も追い風となり、新設が加速する再生可能エネルギーのうち約7割が風力発電である。

省エネ推進の動きは先進国ばかりではない。中国は「第11次5ヵ年規画(2006~2010)」で、エネルギー効率の向上による省エネ・省資源、環境保全を基本とする「節約型社会」の構築を目標として掲げた。この中で、2010年のエネルギー原単位を現在より約20%引き下げるとしている。また、05年11月には「2005北京国際再生可能エネルギー会議」が開催され、中国は2020年までに再生可能エネルギーの割合を同国の1次エネルギーの約15%へ増やす目標を示した。2020年までの投資額は、再生可能エネルギー関連施設に約1.5兆元、環境保護関連へ約1.375兆元が計画されている。

環境ビジネスは拡大初期にすぎない。だが、中国やインドの高成長を考えれば、今後さらにエネルギー需要が拡大することは確かであり、再生可能エネルギーの活用や環境配慮型経営の推進は、長期的に続くトレンドとなるだろう。

かの有名なヘッジ・ファンド運用者ジム・ロジャースはこう言っている。「誰も投資していないときに投資してこそ、より大きな利益を得ることができる」と。本気で環境ビジネスへの投資を考えてみる、いいタイミングだろう。

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