ITコスト配賦(チャージバック)の在り方
2005年12月28日
| 厳しさを増すコンプライアンスと情報セキュリティ対策、昨今の景気回復傾向を反映し急増する取引への対策など、企業におけるITインフラの責務・重要性は大きくなるばかりである。これらの対応コストが急速に肥大化しており、IT部門では、システム関連機器等の購入に際して一層のコスト抑制努力が求められる傾向にある。その一方で、IT投資にかかるコストをユーザ部門にも認識してもらうため、一旦は関心が低くなったチャージバック(コスト配賦)が再度注目を集めている。またベンダー各社においても、購入の際の初期コストを抑えつつ、利用者へのチャージバックを容易に可能とするCPUやディスクの利用量に応じた従量制課金体系を整備するなど、これら一連の動きを支援する体制が取られつつある。この再注目を集めているチャージバックについて、今回は考察したい。 ●従来型のチャージバック方式とその問題点 これまで一般的であった「プロフィットセンターであるシステム部門が利用状況に応じてユーザ部門に配賦する」従来型のチャージバック方式は、ユーザにとって公平性が高く、また実コストを把握するために有効である。その一方で、各ユーザ部門は自ら使用するリソース量と単価に関心が集中し、企業全体の効率を追及するための推進力が働きにくい。このため、運用管理システムの刷新や新技術の導入のような長期的スタンスに立った先行投資は、コンセンサスを得るのが困難となる。 【図表】ユーザ部門とシステム部門のギャップ
●今後のチャージバック方式の在り方 この両者のギャップを埋めるため、ユーザ部門とシステム部門が同じ目標を共有し、一体として機能するための、新たなチャージバック方式が模索されつつある。その新しいコンセプトに『Behavior Oriented Chargeback (行動指向型チャージバック)(※1)』がある。Behavior Orientedチャージバックは、各ユーザ部門の事業内容と状況を重視し、以下の考慮点を加味した上で、配賦体系をコントロールする概念である。 【Behavior Orientedチャージバックにおける考慮点】
Behavior Orientedチャージバックは定着した用語ではないが、コスト配賦とIT戦略に熱心な米国企業では、同様のコンセプトを取り入れて対応しているとされる。日本においても、企業経営における全体効率が重視される中で、Behavior Oriented チャージバックの概念が今後の配賦システムに取り込まれるものと思われる。 【情報システムコストの課金手法の発展】
(※1) Behavior-Oriented Chargebackの呼称は、E.Turban, E.McLean, J.Wetherbeが“Information Technology for Management: Transforming Business in the Digital Economy, Fourth Edition”(2004)で取り上げている |
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