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コーポレート・ガバナンスと株式市場

2005年12月13日

橋本 純一

1990年代以降、我が国においてもコーポレート・ガバナンスへの関心が高まってきた。これは、(1)企業の不祥事が相次ぎ、企業の倫理観が問われ始めたこと、(2)効率的な経営がなされなくても、その責任の追及が厳しくなく、経営者に対するモニタリングが不十分であったこと、(3)バブル経済崩壊後は株式投資リターンも低迷し、企業が株主利益を軽視しているとの指摘が強まったこと、などが要因として挙げられる。

さらに、今日までコーポレート・ガバナンスに関連して環境面・制度面でも幾つかの動きが見られた。特に、2003年4月施行の商法改正において、コーポレート・ガバナンス先進国である米国型のガバナンス・システムとして、「委員会等設置会社」が導入された点に注目が集まった。

「委員会等設置会社」では、業務の執行を執行役が行い、その監督を取締役会が行う。取締役会は戦略的な意思決定を行い、執行役が行う業務執行を監督していく。また、取締役会の別組織として3人以上の取締役かつ過半数が社外取締役で構成される「監査委員会」「指名委員会」「報酬委員会」の3つの委員会を設け、監査委員会が従来の監査役に近い役割を担うことになる。

委員会等設置会社が株式市場からどのように評価されているか?に関する分析結果からは、必ずしも全ての委員会等設置会社が株式市場から高い評価を受けているとは言えない結果が得られた。もっとも、移行した企業にはそれぞれ個別の要因があるため、これは極めて自然な結果と言えよう。注目できるのは、企業規模や市場連動性などの影響を考慮した場合、市場平均や業種平均よりも高い株式パフォーマンスを達成していた企業が比較的多かった点である。委員会等設置会社への移行は株式パフォーマンス向上の十分条件ではないが、ガバナンスを意識した株主重視経営の姿勢は投資家に評価され、長期的に良好な経営パフォーマンスに繋がると考える。

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