日本のワインの独りよがり
2005年12月01日
近年、日本のワインが、世界的にも高い評価を受けるようになってきたと言われている。では、なぜ今までは高い評価を得られなかったのだろうか。
世界のワインは、ワイン専用の葡萄を用いて作られ、醸造家と栽培者が一体である場合が多い。醸造家が栽培を行っているのは、葡萄の質をコントロールするためである。日本では、醸造家が農地を持てないために(農地法による)、醸造家と栽培者は別々であるのが通常である。葡萄農家も醸造家も、いいワインは造りたいが、日本の湿気の多い気候では糖度の高い葡萄を収穫することは難しい。糖度が低ければ十分に発酵しない(糖分が発酵によりアルコールになる)。日本固有の葡萄であれば、当然病虫害に強いが、それがワインに相応しいかは別問題である。日本では、世界的にワイン用葡萄では見られない棚作りをしている。どの国でも、ワイン用の葡萄と生食用の葡萄は違うが、日本ではヨーロッパではワイン用と認められない葡萄でワインを作っていた。
やっと最近になって、栽培農家、醸造家の努力により、カベルネ、メルロ、シャルドネなどのヨーロッパ産のワイン用葡萄を、棚ではなく垣根式で、栽培できるようになってきた。それを使ってワインを作るようになってきた。だから、質が上がったと認識されるようになったという。
ワイン用の葡萄を自然発酵させて作ればいいワインができる。日本の在来種を発酵させても良いワインにはならない。そもそも糖度が足りないから、十分に発酵しないので糖分を添加することになる。
ワインは元来ヨーロッパのものであり、それを評価するに当たってはヨーロッパの基準が大きな役割を果たす。日本人でも、フレンチやイタリアンを食べたときにおいしいと思うワインをおいしいと思う。独自のものと言っても仕方がない。うまく作れなければ輸入すればよいし、作るなら本場のように作るしかない。独りよがりの独自性を捨てることによって、やっと最近、日本のワインの質が上がってきたと評価されるようになってきたという。
ワイン以外の産業も、規制に守られた独自性を捨てることによって世界に伍して行けるようになる場合が多いのではないか。
(日本のワインについては(内閣府から)農水省に出向中の佐久間隆氏よりご教授を受けた。また本多忠親氏のホームページより情報を得たことを感謝する。)
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