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東証、委員会等設置会社へ・・・特別委員会の決定・・・

2005年10月11日

吉川 満

東京証券取引所は、10月4日、自主規制部門強化のために、委員会等設置会社に転換する方針を固めた。

東京証券取引所は近くこの旨を金融審議会第一部会に報告し、同WGにおける審議によって最終決定となる。

委員会等設置会社とは、指名委員会、監査委員会、報酬委員会の三つの委員会と、執行役などの機関を持つ、商法で定められた株式会社の類型。一般の株式会社に比べてガバナンスが優れている点が特長である。

しかし、これまで財界などでは、『委員会等設置会社であるから、ガバナンスがいいとは限らない』などの屁理屈(?)がまかり通り、必ずしも大勢となるには至っていない。しかし、今回、東証が委員会等設置会社の方がガバナンスがよいことを認め、自ら委員会等設置会社となる意思を固めたことで、今後はこれまで以上に利用されるようになる可能性がある。

東証では自主規制部門の組織問題を解決するため江頭東京大学教授を委員長とする特別委員会を設け、約2ヶ月かけて検討してきた。その結果が4日、発表されたわけである。
しかし、前述したとおり最終決定のためには金融審議会第一部会の審議が必要なので、審議結果を待つ必要がある。
東証ではありうる組織形態として、次の5つに絞って検討してきた。

(1)自主規制委員会強化方式

(2)委員会等設置会社方式

(3)自主規制監督会社方式

(4)自主規制業務会社方式

(5)第三者機関方式

このうち、現状に近い(1)、自主規制とは必ずしもいえず効率も悪い(5)、オーストラリア以外主要国では採用例のない(3)、はまず候補から外れ、(2)と(4)から最終的には(2)の『委員会等設置会社方式』が選択された。
一言で言えば、市場運営業務の効率性の観点から、東証特別委員会は(2)を選択したと言える。
・考えられる組織形態の類型


(出所)東京証券取引所
・組織形態の検討に際して考慮すべき具体的論点(試算得点)


(出所)大和総研
(注)上記東証資料に付記されている東証のコメントを、各項目3点満点で大和総研が点数化した。
東証資料に対するコメント
◇東証では市場運営業務と自主規制業務は二律背反と考えている。
◇自主規制業務に適した組織・体制とするほど、市場運営業務は行いにくくなる。
◇自主規制業務はレベルが高くなっても、そもそも市場運営業務はレベルが低くなるのでは仕方がない、と東証は考えている。
◇(1)は市場運営には適しているが、基本的な組織は現在のままなので採用しにくい。
◇(3)は、オーストラリアの組織と似ているが、先進主要国には採用国がなく、説得力が乏しい。
◇(5)は試算得点が低く、難しい。

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