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BRICs=魅力あふれる成長市場

2005年08月30日

長谷川 永遠子

BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の持つ高い成長性が注目されるようになった。日本をはじめとする先進諸国が高齢化の進行によって成長率が鈍化していく中、BRICsは安定した経済成長を続け、2050年の世界の経済大国は中国→米国→インド→日本→ブラジル→ロシアの順になるとも言われている。

BRICsの最大の魅力は26億という巨大な人口(世界人口の4割超)と、その生産年齢人口(15~64歳)比率の高さにある。エマージングでも少子・高齢化は進展しつつあるが、生産年齢人口比率がピークアウトするタイミングは先進諸国よりも後になる。BRICsの中ではロシアが2000年にピークアウトしたものの、中国は2015年、ブラジルは2025年、インドは2040年まで生産年齢人口比率の上昇が見込まれている。

世界大戦後の世界経済を振り返ってみると、他国に比べて生産年齢人口比率の大きい国が高い経済成長を遂げている。1950年代のドイツ、1960~70年代の日本は他国に比べて生産年齢人口比率が高く、この時期に高度経済成長期を迎えた。経済成長率は労働人口(生産年齢人口にある就労者+完全失業者)の増減率と労働生産性の変化率によって決まる。このため労働人口の増加はそれだけで経済成長率にプラスに寄与する。ドイツや日本では労働人口の増加と共に労働生産性の上昇も見られた。「昭和48年労働経済白書」は、低生産性部門(=農林水産業)就業者の割合が低下し、高生産性部門(=製造業およびその他産業)の割合が増加する経済構造の変化が日本の労働生産性上昇につながったと分析している。また同書は製造業の生産性上昇要因を、資本装備率(労働者一人あたりの資本装備額)、資本生産性(単位資本あたり生産能力)、設備稼働率の3つに分けた推計を行い、生産性上昇の多くの部分が資本装備率の上昇によってもたらされたことを明らかにした。近年の中国の高成長も労働人口の増加や就労構造の変化、設備投資の増大を牽引役としており、当時の日本との共通点は多い。先進諸国の生産年齢人口が顕著に低下する中、今後10~35年に渡って生産年齢人口比率の増加(あるいは低下傾向にあっても水準的に高い状態)が予想されるBRICsは経済成長が高まる素地があると言える。

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