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巨人戦視聴率6.0%!

2005年08月01日

原田 泰

巨人戦の視聴率が低迷している。7月13日には6.0%と、6月8日の6.1%を下回った。6.1%は、同時間帯にワールドカップ予選の対北朝鮮戦が行われていたときの数字だから、むしろ健闘したと評価するべきかもしれない。しかし、7月13日の6.0%は言い訳がきかない。90年代まで20%を超えていた巨人戦の視聴率が徐々に低下し、最近では10%を割っているというのは、野球関係者には由々しき事態だろう。野球の放送延長も、多くの局で中止されることになった。

様々なスポーツが放映されるようになったこと、多種のチャンネルで巨人戦以外の試合が見られるようになったことなどが要因だろう。成果主義の浸透で、朝はまず巨人戦の話題からという牧歌的企業がなくなってしまったことも関係しているのかも知れない。大リーグでは、トップ球団の試合が全国ネットで放映されても視聴率は5-6%であるという。巨人一極集中人気のこれまでが異常で、野球人気のあり方も、グローバルスタンダードになっていくということかもしれない。

人気を取り戻すために、様々な方策が考えられているのだろう。球団経営という観点から見れば、今ですら赤字なのだから、お金をかけずに人気を出すことが必要だ。緊迫した試合展開と人間離れした技の応酬を見せることは、野球人気を復活させるために重要だろう。ジーコ・ジャパンのように、弱い相手にも強い相手にもぎりぎりの試合をして、通ると思えないパスを通し、入ると思えない角度と距離からゴールを奪えば人気が上がる。

コスト削減となると、まず選手の高給をカットという話になるのだが、これは旧来型の横並びの発想で、近年の成果主義の風潮にも合わない戦略だ。私が不思議に思うのは、選手の給料当りの勝ち数とか、観客動員数とか、視聴率とかという成果主義的な指標が何も議論されていないことだ。経営者が選手を集め、監督は選手を与えられて野球をするのでは、誰も経営責任が取れない。監督は予算を与えられ、その枠で選手を集め、選手の給料当りの勝ち数を成果主義の基本指標とすれば、安く勝つ監督が名将となり、結果として選手給料の高騰も抑えられる。

そんなことをすればみみっちい試合になるという批判があるかもしれない。しかし、試合展開だけは緊迫感のあるものになるだろう。技能で劣る高校野球のファンは多い。15対3で勝ち、5対14で負けるような試合は、いくら人間ばなれしたホームラン競争を見せられても面白い試合にはならない。現場のマネージャーに権限、特に採用権と人事権を与えることが成果主義の本質であり、組織を活性化するというのは、いかなる組織でも共通の原理ではないか。

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