住宅社会主義を止める時
2005年06月01日
大都市圏の郊外地域、なかでも遠郊外地域がゴーストタウンになるという議論がある。80年代からバブル期にかけて開発が進んだ「遠郊外ニュータウン」地域の多くから人口が流出し、東京区部への転出が進んでいるという。また、昔からの郊外でも、やや遠い地域では、同様の状況が見られる。これら地域では、住民の平均年齢は急速に上昇している。このような状況が続けば、住民は減少し、これらの街は、ゴーストタウンになってしまうという議論がある。
しかし、人々がより都心に近い地域に動くということは、郊外では土地が余るということだ。余った土地を安く売ることはできないのだろうか。地価をゼロにしても人が来ないというのなら大変だ、打つ手がない、または対策が難しいということになるが、地価があるうちは何の問題もない。
ソ連が崩壊する少し前に、社会主義国のユーゴスラビアに行ったことがある。その首都、ベオグラードにあるのは、どこまでも同じ四角いアパートだった。日本の昔からの郊外にある団地と同じだった。そのとき私は、日本は社会主義国であると思った。
昔からの郊外にしろ、最近の郊外にしろ、その遠いもののゴーストタウン化を阻止したいなら、郊外の住宅社会主義を止めて、区画を広げ、土地を安く売ればいいだけのことではないだろうか。
地価が下がると困るという議論もあるかもしれないが、ゴーストタウンになるのとどちらがいいのだろうか。税金をつぎ込んで、ゴーストタウン化を阻止するのは間違っているばかりでなく実効性もない。政府にそんなお金はないからだ。
土地が高いから、日本ではフローの所得の値打ちがない。フローの所得の値打ちがないから、人々は資産にしがみつく。企業もキャッシュフローを重視しない。地価が下がれば、フローの所得の値打ちが上がって、日本は普通の資本主義の国になれるのではないだろうか。
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