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四半期配当と会社法現代化

2005年02月21日

金融調査部 主任研究員 横山 淳

現在、商法等を全面的に改正し、現代化する「会社法(仮称)」の制定に向け、準備が進められている。まだ法案は公表されていないが、すでにその大枠が決まっている。2005年2月9日に法務省の法制審議会で決定した、「会社法制の現代化に関する要綱」(以下、「要綱」)がそれである。その内容は、会社の機関設計の多様化やいわゆる「三角合併」が可能になるなど、多岐に渡る。その中には配当に関する改正事項も含まれている。

現在、株式会社の配当は、原則、1営業年度に1回のみで、営業年度が「1年」の会社は、それに加えて「中間配当(=金銭の分配)」を1回できると定められている。つまり、一般の会社であれば、いわゆる本配当と中間配当の年2回の配当が可能ということになる。それが、新「会社法」では、配当を含む「剰余金の分配」について、「いつでも、株主総会の決議によって……決定することができる」ことになる予定である。その結果、理論上は、四半期ごとに株主に配当を行う「四半期配当」もできるようになる。

しかし、実際に「四半期配当」を行うには問題もある。配当等の「剰余金の分配」は株主総会の決議が必要とされていることである。そのため、「四半期配当」を実施するためには、原則として、四半期ごとに株主総会を開催しなければならないこととなる。これは株主数の少ない未公開会社であればともかく、上場会社にとっては実務上、極めて困難であると言えよう。従って、新「会社法」の下でも、直ちに「四半期配当」が主流になるとは考えにくいだろう。

ただ、新「会社法」では、取締役の任期を1年とするなどの要件を満たせば、定款で配当等の決定権限を取締役会に授権することができる。その意味では、上場会社なども、配当等の決定権限を取締役会に授権する要件・手続を満足しておけば、「四半期配当」を行うことは可能と考えられ、一部にそうした動きが出てくることが考えられる。

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金融調査部
主任研究員 横山 淳