大学の研究成果へのベンチャー投資が拡大
2005年02月08日
大学の研究成果や人材などを活用した大学発ベンチャーの設立が活発だ。筑波大学等の調査によると、2003年8月末時点で日本の大学発ベンチャーは前年比49.2%増の916社に達した。経済産業省が設定した04年3月末に1,000社という目標を大きく上回る勢いである。役員兼業の解禁を始めとした制度面での推進策に加えて、各大学で特許等による技術移転が盛んになってきたことがベンチャー輩出を牽引している。
本格的な株式上場では、02年に大阪大発のアンジェスMGが先陣を切った。熊本大発のトランスジェニックや東京大発のオンコセラピー・サイエンスなどがそのあとに
続き、バイオ・医療分野の大学発ベンチャーが株式市場でも有力な新興勢力になっている。
ベンチャーキャピタル(VC)の投資分野としても注目度を高めている。この分野でのベンチャー投資は03年度の実績(日本経済新聞社等の調査)で前年度比64%増の85億円。04年度も関連ファンドの設立が相次いでおり、当面増加傾向が続こう。
資金力では大手VCが強い。20億円規模の産学連携ファンドで創業間もない案件(一件当り数千万~一億円規模)に対応するとともに、バイオなどの大型案件(一件当り一億~数億円規模)には一般ファンドからも投資する。一方、特定の大学・技術分野・地域などを対象にする特化型ファンドでは、少人数で専門性を生かした投資戦略を採っている。
ファンドの設立が先行して有望な案件が限られる現状では、一部の案件に多くのVCが殺到する傾向があるという。今後他社と差別化を図るためには、画期的な研究成果を市場性の高い事業に仕上げていく案件形成の能力を高めることが有効だ。技術シーズを中核にして起業する事例が多く、受け身型のVCが大きな投資機会を得る可能性は低くとどまると予想される。
大学発ベンチャーは事業化までに長期間を要することが多いため、投資後も営業や経営面などでの継続的な支援が欠かせない。投資後の支援も含めて、大学発ベンチャー向けファンドの役割は今後より一層高まろう。
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