日本企業の金余り
2004年12月06日
日本企業の資金余剰が拡大してしまった原因は、金融面(地価下落に伴う企業のバランスシート悪化、銀行の貸出態度の変化など)、実体経済面双方に求められる。もっとも、金融面においては徐々に前向きの変化が生じつつあることから、今後の資金余剰の動向を考える上では、実体経済面、とりわけ中長期的な期待成長率がポイントとなる。ただよく知られているように(また直感的にも明らかなように)、中長期的な期待成長率は、実際には短期的な景気に大きく影響される。したがって、今後予想される景気調整局面においてマイナス成長が回避され(90年代以降の3度の後退局面では例外なくマイナス成長を記録した)、再び景気回復軌道に復することができるならば、それ自身が期待成長率のトレンド変化を通じて、資金余剰幅の押し下げ(設備投資の押し上げ)要因になりうるのではないだろうか。
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