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原油高、懸念される中国への影響

2004年11月04日

牧野 潤一

未曾有の原油高騰を受け、世界経済への影響が懸念されている。
経済への影響を測るには数量面、価格面双方をみる必要があるが、一般的にはエネルギー原単位と相対価格(原油価格/一般物価)が使われる。

まずエネルギー原単位をみると、日本、米国はオイルショック時に比べ半分弱まで改善しているが、中国は改善度が小さく、日本の8倍程度とエネルギー効率が極端に悪い。相対価格については、これは一般物価がインフレの国ほど影響が小さく、デフレの国は大きくなるが、米国は過去インフレ的に推移してきたため、原油価格との相対価格はオイルショック時の5割弱となっている。一方、日本や中国は一般物価がデフレ的であったため、8~9割と高くなっており、米国より影響を受けやすい。以上をまとめると、原油高に対する耐久力は、米国、日本に対して中国が極端に悪いということになる。相対価格でみると、日本はデフレ的であるため米国に比べて悪いが、これは裏を返せば金利が上昇し難いということであり、オイルショック時のような住宅投資の大幅減や金利負担増による企業収益圧迫(経常利益段階)という追加的影響は起き難いということになる。従って相対価格の影響は、マージン低下による粗利益(又は営業利益段階)の減少がメインとなる。

上記のようにみれば、原油高の世界経済への影響は、中国が最も大きな影響を受ける可能性がある。そもそも今回の原油高は中国を中心とした新興諸国の需要拡大が一因と言われるが、本質的にはエネルギー効率の悪さを内包していることが問題ではないか。原油のような価格弾力性の小さい財は、価格が大幅に上昇しなければ需要は減少しない。原油高騰によってエネルギー多消費型の中国経済が影響を受けることによって漸く価格が下がり始めるというパスも考えられなくもない。

日本経済にとっては輸入原油高に加え、中国経済減速の影響が懸念される。逆に米国は対中貿易が輸入超過であるため追加的な下押しはないとみられる。中国要因よって日米経済のパフォーマンスが変わってくる可能性もあるだろう。

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