2025年10月24日
サマリー
◆企業の健康経営は、従業員構成の偏りから非正社員や女性・高齢従業員のニーズに十分対応できていなかった可能性がある。働き手の多様化が進む中、こうした層への対応強化が求められる。
◆他方、企業の健康関連支出は法定義務に基づく社会保険料が大半を占める。負担する医療費等は増加傾向にあり、企業が任意の健康関連支出を増やす余地は見通しにくい。そのため、効率的かつ効果的に従業員の健康づくりを支援する仕組みが注目されている。
◆ウェルビーイングプラットフォームとは、様々な健康アプリを搭載した従業員向けポータルサービスである。企業が一括導入することで全従業員に様々な領域のプログラムを提供でき、個別施策よりもコストを抑えながら効果的な支援が可能となる。令和6年度の健康経営度調査によると、すでに約4割の企業が健診結果・ライフログの両方を取り扱うPHR(Personal Health Record)を導入し、また、約3割の企業がPHRを基にした健康増進アドバイスを実施している。ウェルビーイングプラットフォームの活用は、従業員の健康データを戦略的に分析し、効率的な健康経営を実現するための不可欠な手段になりつつあると考えられる。
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