ストック・オプションの費用化にむけて

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2004年10月06日

  • 田中 一嘉
日本においてもストック・オプション制度は、着実に普及してきており、今年9月時点で、のべ3142の企業が導入している。ストック・オプション制度の導入企業数は、2年前の1287社に比べて倍以上に増えたことになる。業種別にみると、情報・通信が最も多い。次いで、小売、電気機器、サービスと続いている。反対に、ほとんど採用していない業種もある。

企業の成熟度などの違いによって、ストック・オプションの使い方にも違いがあるようだ。ストック・オプションの付与対象の9割程度が「当社取締役・執行役」および「当社従業員」である。市場別にみると、東証1部の場合、「当社従業員」よりも「当社取締役・執行役」が付与対象であることが多く、マネジメント層に付与対象者が偏っている傾向にある。新興3市場では「当社取締役・執行役」よりも「当社従業員」が付与対象者であることが多い。

では、ストック・オプションが費用化された場合、その影響はどうであろうか。ストック・オプションが費用化されても、財務への影響は、米国ほどは大きくないと考えられる。その理由のひとつは、米国に比べて、日本では絶対的な付与数が少ないからである。

だからと言って、ストック・オプションが費用化の影響が全くないわけではもちろんない。近い将来、日本においてもストック・オプションの費用化が義務付けられる際には、企業によっては、費用化の財務への影響は無視できないところもでてくるだろう。ストック・オプションの費用は、計算式に使われる数字次第で大きく変わってくる。計算式に使われる数字の中でも、特に重要と思われるのは、権利行使されると予想されるまでの期間と株価の変動率である。このふたつの数字をどのように設定するかで、ストック・オプションの費用は、大きくかわってくる。今後、ストック・オプション費用化の義務化へむけて、より具体的な費用計算の方法が議論されることになるだろう。

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