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企業戦略とグループ再編

2004年07月16日

間所 健司

バブル崩壊以降、『連結経営』への要請の高まりとともに、2000年の新連結会計の導入を受けて、わが国のグループ経営が大きく変貌した。バブル経済下では、多角化・国際化を名目に子会社設立が活発化した。これまでのグループ会社(特に子会社)は、出向・転籍先としての人事の受け皿、不良資産の移し替えなど消極的な、マイナスイメージが強かった。それが『連結経営』では企業価値を向上させる戦略的子会社に様変わりしつつある。

近年、商法や税法など、様々な企業再編制度の整備により、『連結経営』が後押しされている。合併が中心であった企業(グループ)再編に、株式移転や株式交換、会社分割などが加わったことで、グループ戦略の選択肢が増え、企業経営にとって大きなプラスとなった。さらに、本年度より連結納税における付加税が撤廃されたことで、その動きが加速するものと思われる。

様々な企業再編手法のなかでも特に、多くの企業が株式交換制度を用いて、子会社の完全子会社化を進めている。2002年に松下電器産業が、松下通信工業などグループ5社を株式交換で完全子会社化したことは記憶に新しい。それに先立つ1999年にはソニーが同様に上場子会社3社を株式交換で完全子会社化した。その一方で、日立グループでは、多くの子会社・関連会社が上場している。求心力と遠心力のバランスによる、一種の連邦経営を行っているものとも言える。どちらの企業グループが優れているとは即断できない。「組織は戦略に従う」と言われる通り、それぞれの企業戦略、価値観の結果であろう。

企業再編制度は、制度上、債務超過子会社の取扱いなど、不備はいくつか指摘されている。しかしながら、企業再編制度の成立は、企業戦略のひとつであるグループ経営に新たな方向性を与えたことは間違いない。

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