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大学による格付取得の動きが加速

2004年05月10日

大学による格付取得の動きが活発化している。大手校では、早稲田、慶応に続き、同志社が取得、いずれもAA+(ダブルAプラス)と、最上位から2番目の非常に高い格付となった。他にも、日大がAA、法政、成蹊、千葉工大、東京理科大がAA-、大阪経済大、広島修道、共立女子がA+などである(東京理科大はS&P、共立女子はJCR、それ以外はすべてR&Iによる格付)。すでに米国では、ハーバードやスタンフォードのAAAを初め、大手の大学数百校が軒並み、格付を取得済みである。

格付取得の背景には、少子化の進展による大学間競争の激化がある。大学への入学志願者数は、明治時代以降、ほぼ一貫して増加してきた。人口の増加と大学進学率の向上がその要因である。そのような長期的な追い風の中で、大学には「運営」という言葉はあっても、「経営」という言葉は存在しなかったといってもいいかもしれない。しかし、現在、大学という存在が日本に誕生して以来初めて、入学志願者の減少という逆風にさらされている。

この減少は一時的なものではないため、影響は深刻である。このままいくと、恐らく少なくとも数十校という単位で、立ち行かなくなる大学が出てくるのは時間の問題であろう。また、学生を集めるためには背に腹は代えられず、実質無試験でどんな学生でも受け入れざるを得ないという状況の大学も増えてきている。「大学生」の質の問題にまで、行き着いているのである。

いずれにしても、今後、非営利法人とはいえ大学は、「経営力」が明暗を分けるポイントになりそうである。自らセールスポイントを明らかにし、質の高い学生を集めるために、いかにアピールするか。そのような流れが格付取得という形で、いままで受身だった大学の姿勢の変化となって現れてきている。ここ数年で、大学を取り巻く情勢は大きく地殻変動がおきる可能性が大である。

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