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第三回業種別企業収益マクロ型予測~100円/ドルでも04年度増収・増益を維持~

2004年01月20日

牧野 潤一

【要約】
■ トップダウン型収益予測:
大和総研が開発した「業種別企業収益マクロ型予測モデル」はマクロ経済予測を前提として、トップダウンアプローチにより業種別企業収益を予測するモデルである。アナリストによる個別企業の収益予想の積み上げ(ボトムアップ型予想)とは全く逆の発想で、マクロ予測から企業収益に接近しようとするものである。トップダウン予測の利点はマクロ経済と整合的且つ恣意性を排除した予想が可能なこと、円高や米国経済など外的変化に対してその影響を定量的に計測できることである。今回は第3回目の予測となるが、今回は標準予測に加え、円高等のシミュレーションも行った。

■ 04年度は二桁増益:
東証一部上場企業(1364社対象、単体ベース)の収益を推計したところ、円ドルレート03年度114.0円/ドル、04年度107.5円/ドルの前提で、03年度は全産業で売上0.7%増、営業利益7.4%増、04年度は売上2.0%増、営業利益10.9%増となった。2年連続の増収増益(3年連続の増益)となる。04年度の営業利益の水準は2000年度を超え1990年度以降の最高水準となる。03年度同様に04年度も製造業が収益の牽引役となり、製造業が売上2.5%増、営業利益13.9%増、非製造業が売上1.1%増、営業利益7.6%増となる。

■ 各セクターの円高対応力:
各セクターの円高対応力について、2つの試算を行った。1つは04年度円ドルレートが想定より10円円高(97.5円/ドル)となった場合の影響、2つ目は、各セクターで04年度営業収益が減益となる為替レートの試算である。

(1) 「97.5円(10円円高)」シナリオ:
為替レートが1-3月期以降、想定より10円円高の97.5円となった場合、営業利益は03年度が+6.7%、04年度が+7.5%となる。押し下げ効果は03年度-0.7%ポイント、04年度-3.4%ポイントとなる。加工組立型産業の収益を中心に悪影響を受け、これらの業種と産業連関の強い素材産業の収益に影響が出ることになる。ただ、現状の水準以上に急進しない限り、収益への影響は限定的と言える。

(2) 04年度営業収益が減益となる円ドルレート:
臨界点為替レートは、自動車が102.4円/ドル、機械が96.0円/ドル、電機が95.4円/ドルなどとなり、輸出の柱となる加工組立産業全体では98.7円/ドルとなった。特に、輸送機器の対円高抵抗力の弱さが目立つ結果となった。これは現在の自動車輸出が、他業種に比べ数量面で弱いためで、円高による価格面からの輸出押し下げを数量面でオフセット出来ないことが大きい。

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