サマリー
◆2024年8月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+2.8%となった。全国新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)は同+2.0%であった。いずれも前月から前年比伸び率が上昇した。
◆2024年8月のコアCPIの前年比の動きを財・サービス別に見ると、耐久消費財と非耐久消費財(除く生鮮食品、エネルギー)は前月から伸び率が上昇した。他方、半耐久消費財は前月から伸び率が低下した。エネルギーとサービスは前月から伸び率が横ばいだった。
◆先行きの新コアコアCPIは、2024年度、25年度ともに前年比+2.0%の見込みだ。為替レートが大きく円高方向に修正されたこともあり、中間投入コストの増加については、鈍化ペースがとりわけ24年度半ばから速まるだろう。他方、春闘での大幅な賃上げを受け、企業が人件費の増加分を販売価格に転嫁する動きは23年度よりも広まるとみている。24年度後半からは、基調的なインフレ率が高まっていくだろう。25年度には賃金・物価の循環的な上昇が定着することで、新コアコアCPIは同+2%程度の水準で安定的に推移するとみている。
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