サマリー
◆高市早苗政権は近く、2026年度の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針2026)を閣議決定する。ワードクラウドで骨太方針2026の原案に記載された単語の出現頻度を分析すると、前年度に比べて高市政権の経済財政政策をより前面に打ち出したことが明確に表れている。また、個別施策や事業に関する記載が大幅に削減された点も特徴的だ。
◆高市政権の看板政策である危機管理投資・成長投資については、戦略17分野の官民投資額を2040年度までの累計で370兆円超と想定している。6つの領域に整理すると、全体の約半分を占めるのが「AI・デジタル」領域で、次いで大きい「バイオ・マテリアル」領域が約4分の1を占める。重点的に支援する領域と、広く薄く支援する領域のメリハリが一定程度利いた姿になっている。
◆骨太方針2026の原案では、内閣府が試算した3つのシナリオのうち、最も成長率の高い「成長戦略実現ケース①」の実現を目指すとしている。だが、このシナリオでは国内民間設備投資だけでも累計410兆円程度と、官民投資額を民間のみで上回る投資が誘発されると見込んでいる。また、全要素生産性(TFP)上昇率は2030年代後半に年率+1.4%に加速すると想定している。これは米国を上回る生産性向上ペースであり、その実現には経済財政構造の大幅な転換が必要だ。
◆安倍晋三政権などの歴代政権は成長戦略を策定し、潜在成長率の引き上げに取り組んできたものの、十分な成果は上がらなかった。成長戦略の進捗管理は日本成長戦略会議の下で定期的に実施される方針だが、関連施策や予算の状況を管理するだけでは不十分である。上記の高成長シナリオに現実をどのように近づけ、そのためにはどのような施策を実施する必要があるのかを検討し、成長戦略に適宜反映させる取り組みが、日本成長戦略会議には求められるだろう。
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