サマリー
◆2026年7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月差▲2.3万人と、市場予想(Bloomberg調査:同+8.0万人)に反し、5カ月ぶりのマイナスとなった。さらに、過去分も大幅に下方修正された。ヘッドラインは政府部門による下押しが大きいものの、民間部門も低調だった。失業率は4.1%と2カ月連続で低下したものの、労働力人口の急減が主因であり、必ずしも楽観できる結果とはいえない。総じてみると、7月の雇用統計は雇用者数を中心に軟調な結果だったといえる。
◆7月のADP民間部門雇用者数が2カ月連続での減速となったこと、雇用者数に先行する傾向にあるNFIB雇用計画も低下傾向を示していたことは、7月の軟調な雇用者数と整合的な結果といえる。なお、NFIB雇用計画は、秋に入り雇用者数が回復する可能性を示唆しているが、足元では振れが大きく、マインドの回復が継続するか注目されよう。
◆直近の新規失業保険申請件数は前年同時期の水準を大幅に下回って推移しており、家計調査において失業者数が減少した点と整合的だ。他方で、足元では失業者数が減少すると同時に、労働供給そのものが減少している点が懸念される。中でも、ベビーブーマー世代の退職に伴う高齢層での労働参加率の低下だけではなく、現役層においても労働参加率の低下がみられる点が気がかりといえよう。失業率を評価するにあたっては、労働参加率の上昇を伴いながら、安定または改善するかが重要となろう。
◆金融政策については、7月の雇用統計が雇用者数を中心に軟調な結果になったことを受けて、9月15日・16日に予定されるFOMCでの市場の利上げ予想はやや後退した。失業率が低下した中で、労働市場が安定しているというFOMC参加者の評価は即座に変わりにくいものの、8月分の雇用統計でも軟調な雇用者数が見られれば、雇用環境の下振れリスクはより意識されやすくなるだろう。もっとも、足元ではFOMC参加者が、利上げ判断はインフレの動向次第との見方を強めている。雇用統計に続いて利上げ予想が後退するには、8月12日に公表予定のCPIが減速傾向を示す必要があるだろう。
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