サマリー
◆2024年6月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+2.6%、全国新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)は同+2.2%であった。いずれも前月から伸び率が加速した。
◆2024年6月のコアCPIの前年比の動きを財・サービス別に見ると、耐久消費財、エネルギー、サービスは前月から伸び率が上昇した。政府のエネルギー高対策の補助縮小や診療報酬改定の影響が含まれる。他方、半耐久消費財と非耐久消費財(除く生鮮食品、エネルギー)は伸び率が低下した。
◆先行きの新コアコアCPIは、2024年度、25年度ともに前年比+2.2%の見込みだ。輸入物価の急騰はすでに一巡しており、これまでの物価上昇の主因であった中間投入コストの増加については、徐々にペースが鈍化していくとみている。他方、春闘での大幅な賃上げを受け、企業が人件費の増加分を販売価格に転嫁する動きが24年度の中頃から強まり、基調的なインフレ率は高まっていくだろう。25年度には賃金・物価の循環的な上昇が定着することで、新コアコアCPIは同+2%程度の水準で安定的に推移するとみている。
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