サマリー
◆中東情勢が再び緊迫化し、中国の物価や貿易への影響についても愁眉を開くことができない状況が続いている。物価について、供給過剰による価格競争が厳しい中国では、最終製品への価格転嫁は難しい。工業製品出荷価格指数を工業生産者購入価格指数で除して求めた工業製品の交易条件は大きく悪化している。これが続くとコスト高を背景に業績が悪化する可能性が高くなることに注意が必要だ。
◆米国の中国からの輸入製品に対する追加関税は、1974年通商法122条に基づく10%が失効し、同301条に基づく12.5%が発効した。大和総研の試算によると、中国の実質GDPに対する追加的な押し下げ効果は0.05%にとどまる。
◆中国国家統計局によると、2026年4月~6月の実質GDP成長率は前年同期比4.3%(以下、断りのない限り変化率は前年比、前年同期比)となり、1月~3月の5.0%から減速した。4月~6月は、2026年の政府成長率目標である4.5%~5.0%の下限を下回った格好である。内需が急減速しており、4月~6月の小売売上は0.2%増にとどまり、1月~6月の固定資産投資は5.7%減に落ち込んだ。
◆このまま内需の減速・低迷が続くと、2026年の政府成長率目標の達成が危ぶまれる。下限の4.5%を死守するために、さらなる金融緩和や財政出動が発動される可能性がある。預金準備率の引き下げや地方政府特別債券の増発などにより、地方政府の投資余力を高める政策が有効だと思われる。
◆大和総研の中国経済見通しに変更はない。2026年4月~6月の実質GDP成長率は4.3%に低下したが、ほぼ大和総研の想定(4.4%)通りであった。2026年は4.5%、2027年は4.2%の実質成長を予想している。
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