サマリー
◆2024年3月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+2.6%となった。全国新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)は同+2.9%であった。全国コアCPI、全国新コアコアCPIとも前年比上昇率は前月から縮小しており、物価の前年比は緩やかな鈍化が続いている。
◆2024年3月のコアCPIの前年比の動きを財・サービス別に見ると、耐久消費財、半耐久消費財、非耐久消費財(除く生鮮食品、エネルギー)、サービスは前月から伸び率が低下した。他方、エネルギーは前月からマイナス幅が縮小した。
◆先行きの新コアコアCPIは、2024年度で同+2.1%、25年度で同+2.0%の見込みだ。もっとも、2024年度を中心に基調的なインフレ率は上振れリスクが大きいだろう。日本労働組合総連合会(連合)が4月18日に公表した2024年春闘の第4回回答集計結果によると、定期昇給(定昇)相当込みの賃上げ率は加重平均で5.20%であった。賃上げによる人件費増加分を価格に転嫁する動きが広がることで、2024年度を中心に賃金と物価の循環的上昇が一段と強まるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2024年2月全国消費者物価
エネルギーのマイナス幅縮小でコアCPIの前年比上昇率は拡大
2024年03月22日
-
2024年1月全国消費者物価
宿泊料の影響を主因にCPIの前年比上昇率は縮小
2024年02月27日
-
2023年12月全国消費者物価
2023年のコアCPIは前年比3.1%と1982年以来の高い伸び率
2024年01月19日
-
2023年11月全国消費者物価
財を中心に物価上昇の減速基調が強まるも、一般サービスでは加速
2023年12月22日
-
2023年10月全国消費者物価
基調的な物価の上昇ペースに鈍化が見られる
2023年11月24日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年9月全国消費者物価
政策要因でコアCPI上昇率拡大も物価の上昇基調には弱さが見られる
2025年10月24日
-
2025年9月貿易統計
トランプ関税の悪影響続くも、円安効果で輸出金額は5カ月ぶり増加
2025年10月22日
-
2025年8月機械受注
非製造業(船電除く)を中心に弱含み、政府は基調判断を下方修正
2025年10月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日

