サマリー
◆2023年4月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲1.3%と3カ月連続で減少した。10大費目別では、「住居」、「被服及び履物」、「教養娯楽」など5費目が前月から減少した。
◆複数の統計で補正したCTIミクロで見た実質消費は前月比▲0.2%、供給側統計である商業動態統計によると名目小売販売額は同▲1.2%、CPIの財指数で実質化した小売販売額は同▲1.9%であった。ただし、商業動態統計に含まれていないサービス消費は底堅く、CTIマクロで見た実質消費は同+0.1%であった。4月の個人消費は総じて見れば足踏みしたと判断される。
◆2023年5月の消費は財、サービスともに前月から増加したとみている。6月以降の消費は緩やかな増加基調を辿ろう。自動車販売やサービス消費の回復などが見込まれる。加えて、2023年春闘では高水準の賃上げ率が実現する見込みであり、消費の回復を後押しするだろう。ただし、物価高は引き続き懸念材料だ。消費マインドは改善しているが、度重なる値上げにより悪化する可能性には注意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
消費データブック(2023/6/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから足元の消費動向を先取り
2023年06月02日
-
2023年3月消費統計
個人消費は総じて見れば前月から横ばい
2023年05月09日
-
消費データブック(2023/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから足元の消費動向を先取り
2023年05月02日
-
2023年2月消費統計
個人消費は総じて見れば前月から小幅増
2023年04月07日
-
消費データブック(2023/4/4号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから足元の消費動向を先取り
2023年04月04日
-
2023年1月消費統計
実質消費支出は前月比+2.7%と3カ月ぶりに増加
2023年03月10日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年9月消費統計
衣料品など半耐久財が弱く、総じて見れば前月から小幅に減少
2025年11月07日
-
人手不足下における外国人雇用の課題
労働力確保と外国人との共生の両立には日本語教育の強化が不可欠
2025年11月06日
-
消費データブック(2025/11/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年11月05日

