サマリー
◆2023年2月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲2.4%と2カ月ぶりに減少した。10大費目別では「交通・通信」や「教養娯楽」など5費目が前月から減少した。
◆複数の統計で補正したCTIミクロで見ると実質消費は前月比▲1.5%、CTIマクロでは同+0.2%であった。供給側統計である商業動態統計によると、名目小売販売額は同+1.4%、CPIの財指数で実質化した小売販売額も同+2.6%と増加した。総じて見れば、2月の個人消費は前月から小幅に増加したと判断される。
◆2023年3月の消費は財、サービスともに前月から横ばい圏で推移したとみている。4月以降の消費は緩やかな増加基調を辿ろう。耐久財消費やサービス消費の回復などが期待できる。加えて、2023年春闘では高水準の賃上げ率が実現する可能性が高く、消費回復のプラス材料となるだろう。他方で、物価高は引き続き懸念材料だ。インフレ率が高まる中でも消費マインドは改善傾向にあるが、度重なる値上げにより消費マインドが再び悪化すれば、個人消費の回復が遅れる可能性がある。
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