サマリー
◆2023年1月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比+2.7%と3カ月ぶりに増加した。10大費目別では「交通・通信」や「教養娯楽」など5費目が前月から増加した。
◆複数の統計で補正したCTIミクロで見ると実質消費は前月比+2.0%、CTIマクロでは同+0.1%であった。供給側統計である商業動態統計によると、名目小売販売額は同+1.9%、CPIの財指数で実質化した小売販売額も同+1.3%と増加した。総じて見れば、1月の消費は前月から増加したと判断される。
◆2023年2月の消費は財、サービスともに前月から概ね横ばいだったとみている。3月以降の消費は緩やかな回復基調を辿ろう。半導体不足の解消により自動車の挽回生産が本格化すれば、耐久財消費の大幅な増加が期待できる。5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが「5類」に移行することもあり、サービス消費も回復するだろう。他方、物価高は引き続きの懸念材料だ。度重なる値上げにより消費マインドが一段と悪化すれば、個人消費の回復が遅れる可能性がある。
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