サマリー
◆2023年3月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲0.8%と2カ月連続で減少した。10大費目別では「その他の消費支出」や「光熱・水道」など6費目が前月から減少した。
◆複数の統計で補正したCTIミクロで見た実質消費は前月比▲0.2%、CTIマクロでは同+0.1%であった。供給側統計である商業動態統計によると、名目小売販売額は同+0.6%、CPIの財指数で実質化した小売販売額は同+0.3%であった。3月の個人消費は総じて見れば前月から横ばい圏で推移したと判断される。
◆2023年4月の消費は財、サービスともに前月から増加したとみている。5月以降の消費は緩やかな増加基調を辿ろう。耐久財消費やサービス消費の回復などが期待できる。加えて、2023年春闘では高水準の賃上げ率が実現する見込みであり、賃上げ動向も消費回復を後押しするだろう。ただし、物価高は引き続き懸念材料だ。消費マインドは改善傾向にあるが、度重なる値上げにより再び悪化する可能性には注意が必要だ。
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