サマリー
◆中国の不動産不況は6年目に突入した。状況を好転させるには、①救済すべきデベロッパーと破綻処理すべきデベロッパーを合理的な基準で区分し、後者は、開発中のプロジェクトの移譲などを通じて、社会不安や金融への大きな負荷を回避すること、②住宅建設と販売の関係については、従来の予約販売から完成後販売に移行し、「工事中断問題」を根本から解決すること、などに踏み込む必要がある。ここにきて、中国政府が完成後販売への移行に向けて大きな一歩を踏み出したことは注目される。
◆2026年8月28日付の「商品住宅販売制度の改善に関する通知」では、今後、新たに開発用地や建設許可を取得する場合、住宅の完成後販売への移行を推進し、引き渡し不能リスクを根本から防止する、ことが明記された。同日付の「不動産貸出管理の改革・改善と不動産発展の新モデル構築の推進・加速に関する意見」では、「完成後販売の場合、銀行は購入手続き完了後に住宅ローンを提供し、予約販売の場合は、デベロッパーによる工事完成手続き完了後に住宅ローンを提供する」とした。予約販売でも工事完成後に住宅ローンが組まれるため、従来のような物件引き渡し不能事態の発生は概ね回避されることになろう。
◆かねて「完成後販売」への移行の重要性を指摘してきた大和総研は、今回の政策をプラスに評価している。ただし、2026年8月27日以前に契約している場合は、従来の契約が維持されるため、効果の発現には時間を要すると考えられる。また、完成後販売への移行は「推進」とされているため、現在は大半を占める予約販売が、どの程度完成後販売に置き換わるかは不透明だ。今後の動向に注目したい。
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