中国経済見通し:不動産不況、脱却はまだ先

住宅完成後販売への移行は◎。一段と悪化する内需と堅調な外需

RSS

2026年09月24日

サマリー

◆中国の不動産不況は、中国恒大集団(エバーグランデ)の経営破綻危機が報じられた2021年8月から丸5年が経過し、6年目に突入した。こうした中、2026年8月28日付の通知では、今後、新たに開発用地や建設許可を取得する場合は、住宅の完成後販売(現物販売)への移行を推進し、引き渡し不能リスクを根本から防止する、ことが明記された。実現すれば、「工事中断問題」は根本から回避されることになる。ただし、2026年8月27日以前に契約している場合は、従来の契約が維持されるため、効果発現には時間を要する可能性が高い。

◆内需は一段と減速している。2026年8月の小売売上は前年同月比0.4%増(以下、断りのない限り、変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)にとどまり、7月の0.6%増からさらに減速した。特に自動車販売金額は18.5%減に落ち込んだ。「内巻」と呼ばれる破滅的な価格競争が続いているほか、2026年からの新エネルギー車(NEV)の車両購入税の徴収開始(従来は一貫して免税→価格の5%)が響いている。2026年1月~8月の固定資産投資は7.2%減となり、マイナス幅を拡大させた。分野別に、1月~8月の製造業投資は2.3%減、インフラ投資は4.0%減、不動産開発投資は19.9%減となり、いずれもマイナス幅が拡大している。

◆このまま内需の減速・低迷が続くと、2026年の政府成長率目標(4.5%~5.0%)の達成が危ぶまれる。下限の4.5%を死守するために、さらなる金融緩和や財政出動が発動される可能性がある。預金準備率の引き下げや地方政府特別債券の増発などにより、地方政府の投資余力を高める政策が有効だと思われる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート

同じカテゴリの最新レポート