サマリー
◆中国で今後5年(もしくはそれ以上)の長期にわたり有望視される投資分野が「6つのネットワーク」である。具体的には、水供給・新型電力・計算力(コンピューティング能力)・新世代通信・都市地下パイプライン・物流の6つのネットワークだ。
◆中国では、共産党・政府によりお墨付きが与えられた分野には、中央・地方政府、国有・民営企業を問わず、傾斜的な投資が行われ、地方銀行を中心に銀行が重点的に融資を行い、資金需要を支える。こうした挙国体制により、新しい産業が勃興し、世界を席巻していく可能性が高まるのである。これがトップダウン型の中国の強みといえるだろう。
◆しかし、中国のこうした強みは、投資過剰による供給過剰という問題を生み、特に消費者に近い川下の分野では、「内巻」と呼ばれる「破滅的な価格競争」に陥っていくケースが多い。自動車や太陽光パネルなどが「内巻」の代表例であるが、最近では、AIモデルの価格競争が加速するなど、最先端の産業にも「内巻」の懸念が台頭している。
◆「内巻」の是正は喫緊の課題であるが、打ち出された政策は煎じ詰めると、「価格を下げてはならない」というものに終始しており、抜本的な解決策とはなっていない。「劣敗」企業の秩序ある撤退(倒産)が進むと中国の強さは一段と際立つことになるが、一筋縄ではいかないようだ。
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