生成AIの活用とスキル維持

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2024年02月16日

  • データアナリティクス部 主任コンサルタント 内野 慈

プログラミング力の維持は難しいと感じている。筆者自身の組織内でのポジション変化などによってプログラムに直接触れる機会が減ってきており、いざプログラムを書こうとした際に手間取ることが増えてきた。そんな状況の中、救世主として現れたのが生成AIである。生成AIに実装したい内容を伝えるだけで、即座にコードを生成してくれる。かくして、プログラム実装にかかる時間は大幅に削減され、見事に業務効率化が図れたのだった。一方で自身のプログラミング力を維持できているかという点に疑問を持ったため、プログラミング力を維持するために必要な対処法を生成AIに問い合わせてみた。回答結果の抜粋が以下のとおりである。

  1. 定期的な学習: プログラミングは日々進化しています。新しい言語やフレームワーク、ツールが頻繁に登場しますので、定期的に学習を続けることが重要です。
  2. 実践的な経験: 知識だけでなく、実際にコードを書くことでスキルを磨きます。プロジェクトに参加したり、自分でプロジェクトを立ち上げたりすることで、実践的な経験を積むことができます。
  3. コードレビュー: 他人のコードを読むことや、自分のコードを他人にレビューしてもらうことは、プログラミングスキルを向上させる上で非常に有効です。

やはり、プログラミング力を維持するには、自らの手でプログラムを読み書きし、考えることが重要となりそうだ。一方で、生成AIによる業務効率化をスキルシフトする機会と捉え、プログラミング力は生成AIなどの技術に頼り、他のビジネススキルを向上させることも考えられる。

ここまでプログラミング力に焦点を当ててきたが、他にもビジネス文書の添削や、提案書のアイディア出し等での生成AI利用、単純作業へのRPA適用など様々な面で業務効率化が進んでいる。生成AIやRPAの利用により、従来の業務プロセスや必要スキルが今後さらに大きく変化していくことが想定される。このような環境下においては、効率化により生み出された時間をどう有効活用していくかが重要となる。「既存スキルの維持・向上を図る」、「新たなスキルを身に着ける」といった自身のビジネススキルに関する選択や「ワークライフバランス向上をさせる」など私生活を充実させることも考えられる。環境の急激な変化の中でも、しっかりと今後のキャリアプランに応じた選択をできるよう、自身のスキルセット棚卸などを常に意識しておきたい。

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内野 慈
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データアナリティクス部

主任コンサルタント 内野 慈