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本格化するDXと求められるステークホルダーとの対話

~DX認定制度の開始とDX銘柄との連動~

2020年12月09日

経営コンサルティング第二部 主席コンサルタント 元秋 京子

本年11月に、「デジタルガバナンス・コード(以下、DGコード)」が策定され、「DX認定制度」が創設された。「DGコード」をベースとして、「DX認定制度」と「DX銘柄」の評価基準が連動する形となり、各施策の関係性も明確になった。これらの施策から、政府が目指す日本企業のDXがより本質的な目的、つまり、データ・プロセスのデジタル化に始まり、業務効率化、既存ビジネスの改革、付加価値の創造へと進化しようとしていることがうかがえる。

経営にとってのITシステムの戦略的活用の指針となる「DGコード」は、経営ビジョン、ビジネスモデル、方策、成果と重要な成果指標、ガバナンスシステム等、企業が一体となってDXに取り組むための要素(テーマ)で構成される。各テーマには「基本的事項(柱となる考え方・認定基準)」「望ましい方向性」「取組例」が記載され、「基本的事項」では具体的な内容だけでなく、公開文書等による対外的な公表についても言及しており、企業・経営者がDXの取り組みについてステークホルダーへ発信し、積極的に対話をすることを求めている。

優良なDX取組企業を国が認定する「DX認定制度」の要件は、DGコードの基本的事項・認定基準を満たすことが求められ、上場・非上場・法人・個人を問わない全ての事業者が認定対象となる。DX銘柄にエントリーする上場企業は、DX認定の取得が必要となることに注意したい。ただし、暫定措置としてDX銘柄2021については、DX認定の「申請」を要件とする。

「DX銘柄」では、DGコードの「望ましい方向性」「取組例」への対応に加え、企業価値貢献とDX実現能力の観点で評価される。企業価値貢献の項目は「既存ビジネスモデルの深化」と「業態変革・新規ビジネスモデルの創出」に分かれ、特に後者への評価ウェイトを高くする形となっており、DXの本来的な目的へ方向付けるものとなっている。

DXを実現性のあるものとするためには、特定部門ではなく、企業全体の意識転換と体制整備、中長期かつ継続的な経営陣・各部門との連携した取り組みが必須であり、各テーマについてより具体的な検討・設計をしていくことが必要となる。

また、経営戦略としてのDXへの取り組みに対するステークホルダーの関心も高まっており、企業・経営者が発信・説明する機会も増えてくると思料される。改めて、DX・ITシステムに係る自社の状況を把握するために、共通言語となるDGコードをベースにチェックを行い、各部横断で検討・議論すると良いだろう。全社的な取り組みとして、まずは前述のDX認定取得を目指すことを目標とするのも一案である。

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経営コンサルティング第二部
主席コンサルタント 元秋 京子