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新型コロナウイルスにどう立ち向かうか?

2020年04月01日

調査本部 専務取締役 調査本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸

世界中が新型コロナウイルスの脅威に揺れている。安倍政権は、3月26日、新型コロナウイルス感染症の急激な拡大に備え、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく対策本部を設置した。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、日本経済にリーマン・ショック以上の打撃を与える可能性がある。4~6月前後に、世界各地でウイルスの流行が収束に向かうという、大和総研のメインシナリオの下でも、日本の実質GDP(国内総生産)は、この問題が起きなかった時と比べて、13.2兆円(2.5%)程度、減少する。欧米での流行が2020年中続くというリスクシナリオでは、わが国の実質GDPは同じく36.4兆円(6.9%)程度、減少する。リーマン・ショック発生後の2009年の実質GDP成長率が▲5.4%であったことを勘案すると、今回の問題は、日本経済にリーマン・ショック以上の打撃を与えるリスクがあるといえよう。

3月26日、筆者は、自民党本部において、以下の様な政策提言を行った。

まず、何よりも重要なことは、政府が「国民の生命と暮らしを守る」という強いメッセージをスピーディに発することだ。そして、以下の3つの時間軸で、政策を整理する必要がある。

第一ステージでは、感染症の拡大防止に加えて、国民の生活保障に最大限注力すべきだ。この段階では、感染症の拡大防止こそが最大の経済対策となる。治療薬やワクチンの開発に関する国際的な協力体制を構築すると共に、わが国で「医療崩壊」を阻止することが肝要である。

経済対策という側面では、「雇用を守る」「中小企業を倒産させない」といったメッセージを発信して、国民の生活保障に力点を置かねばならない。具体的には、雇用助成金の拡充等に加えて、本当に困っている人に対象を絞った現金給付などが必要である。また、中小企業の資金繰り倒産を防ぐ意味で、無利子・無担保の融資を拡充すると共に、税金の支払い猶予・減免など、政策を総動員するべきだ。

本格的な消費喚起策は、感染症の拡大に一定程度、歯止めがかかった、第二ステージで講じるのが望ましい。この段階では、商品券やクーポン券を発行して、旅行、運輸、外食といった産業を振興し、国内観光や地方創生を促すキャンペーン等を大々的に展開したい。

さらに、第三ステージでは、今回の問題を奇貨として、プロアクティヴ(攻め)の政策に取り組むべきだ。

具体的には、テレワーク(在宅勤務)、オンライン診療、オンライン授業を助長すること等を通じて、Society 5.0を推進し、リモートな社会を構築する。また、サプライチェーンの再構築、「チャイナ・プラス・ワン」の推進といった、危機管理体制の強化やリスク分散を図る。将来的には、今回の問題をきっかけとする産業構造の激変を視野に入れて、企業の新陳代謝を促進するべきだ。

混迷の時代を迎えた今こそ、安倍政権の真価が問われている。

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