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期待される、我が国企業の開発途上国におけるSDGs達成への貢献

2019年09月25日

依田 宏樹

SDGs(持続可能な開発目標)が国連で採択されてから4年が経過し、2030年の達成期限まで残り11年となった。しかし、残念ながら達成状況は芳しくない。今年7月、ニューヨークの国連本部で開催された「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)」において、各国の閣僚等が集まりSDGsの進捗レビューが行われた。極度の貧困の減少や電力へのアクセスなどいくつかの分野で進捗があった一方で、気候変動や国内外における不平等など緊急の対策が必要となる分野が数多く残されており、SDGsの達成には迅速でより野心的な対応が必要であることが指摘されている。

また、今年6月に国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワークと独ベルテルスマン財団が公表した報告書“SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2019”においては、162ヵ国を対象にSDGsの達成度が公表された。全般的に進捗の遅れが目立つ内容であり、特に多くの開発途上国では大部分の目標が「深刻な課題あり」か「相当な課題あり」と厳しい評価になっている。目標別にみると、ほとんどの国で気候変動への対応や生物多様性の保全(目標12~15)の達成度は低い。開発途上国では、加えて飢餓の撲滅や健康と福祉(目標2~3)、ジェンダー平等(目標5)、平和と公正(目標16)が低い傾向にある。

進捗が遅れている理由として、SDGs達成に必要となる資金や技術が、特に開発途上国において大きく不足している点が挙げられる。達成にはODAなど公的資金だけでは限界があり、民間部門の協力が不可欠である。

開発途上国におけるSDGs達成の大幅な遅れは、見方を変えれば民間企業にとって事業機会にもなりうる。自社の技術やサービスを開発途上国の社会的課題の解決と結び付け、事業機会の獲得を目指す日本企業もある。例えば、農産物の生産販売や加工、輸出等を手掛けるGRA社は、日本の施設園芸技術とITを活用し、インドでイチゴの生産・販売を行うことで、農村地域で女性の雇用を創出し貧困削減に貢献している。これはSDGsの目標1や5の達成につながる事業と言えるだろう。また、独自の発酵技術を活用し植物性乳酸菌事業等を手掛けるバイオテックジャパン社は、フィリピンで慢性腎臓病患者の食事療法用低タンパク米の生産・販売を行っている。これはSDGsの目標3の達成につながる事業と言えるだろう。

2019年9月24~25日には、4年に一度のSDGsに関する国連総会(SDGサミット)が開催され、首脳レベルでSDGsの進捗レビューが行われる。これは2015年にSDGsが採択されて以降初めての開催となる点で注目度が高い。SDGs達成の遅れを改めて直視し、民間部門の協力を後押しする思い切った政策的行動につながる転換点となることを期待したい。 

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