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記憶に残る上司とは?

2018年07月17日

経営コンサルティング第二部 主任コンサルタント 柳澤 大貴

コンサルティングのプロセスで、私が重視していることがある。それは、プロジェクトの初期段階において実施する『対象企業の従業員インタビュー』である。これは、まさに“改革のためのネタの宝庫”だ。
このインタビューは、管理職、非管理職を問わず選抜された方々との1対1の会話を通じて、その企業の強みと弱みを炙り出すのが目的である。話が盛り上がってくると本音が出始める。そこで大きな発見があり、制度改定や組織改革へのヒントとなる。より多くの本音を引き出すためには、何を質問するかが重要だ。私が特に注目しているのは「あなたにとって忘れられない上司はどんな人でしたか」という質問である。

回答内容は個人により差はあるものの、いくつか共通点がある。企業や年齢、階層、職種を越えて共通している回答があるのだ。そのトップ3を紹介しておく。
①自分の課題や当時の能力、立場に応じて適切な助言を与えてくれた、あるいは一緒になって考えてくれた上司
②どのような場面においても感情的にならず冷静に話を聞いてくれた上司
③手柄は部下に、責任は自分が負う姿勢を見せてくれた上司
以上である。
現在管理職として上司になっている方も時々思い出しては、自問自答するようだ。①~③の内容は至極当たり前のことであるが、この当たり前のことを実践するのが意外に難しい。上司も人間であり、感情もある。日々忙しく業務に取り組む中で、冷静さを保つのは大変であろう。親にも叱られた経験がない新入社員も増え、部下指導の難しさを打ち明ける上司も少なくないようだ。

一方、興味深いのは部下である非管理職からのコメントである。「たとえ厳しい内容であっても本当に自分の成長ための助言であり、論理立てて説明してくれるならばそれは素直に拝聴したい」という意見である。ポイントは、本当に部下の成長を願っているかどうかである。そこが部下に伝われば指導育成の80%は目的を達成したと言えるだろう。管理職の役割は個々の能力を最大限に引き出し、組織の目標を達成することである。そのためには深呼吸して、まず部下の意見を聞き、親身になって解決策を考えることが第一歩だと思う。

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柳澤 大貴

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主任コンサルタント 柳澤 大貴