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ライドシェアはうまく機能できるか?

2016年09月16日

大和総研 顧問 岡野 進

米国に旅行した折に話題のライドシェアを利用してみた。

テネシー州のメンフィスとイリノイ州の片田舎の大学町で数回使ってみたのだが、確かに便利である。田舎町ではタクシーが流しているということはほとんどなく、電話で呼ぶというのが基本。それに対して利用したライドシェアはスマートフォンのアプリケーションで呼び出せる。立ち上げると近くの地図が出て乗車可能な車が表示される。行きたい場所を入力すると、OKな車が応答して迎えに来てくれる仕組みだ。料金はアプリケーション上で決済するが、タクシーと比べて多少安いそうである。けっこうな数の車が流していて、迎えに来てもらうのに10分以上かかることはなかった。

ドライバーは若い学生風か高年者が多かった。プロではないので迎えに来る場所をちょっと間違えたりもする。そうした場合、すぐに電話でやりとりができるというのも便利。目的地に着くと、アプリケーション上で決済、あらかじめ登録してあるクレジットカードに課金される。そこで大事なのがフィードバック。ときどきのサービスについての評価を点数評価できる。おそらくは低い評価のドライバーを排除することで質を向上させるという仕組みなのであろう。

米国というのは日本に比べるとかなり犯罪が多く、したがって犯罪歴のある人も多い。人を雇おうとすれば、まずバックグラウンドチェックで犯罪歴のあるなしを調べることはよく行われる。ライドシェア会社もドライバーを志望する人にバックグラウンドチェックを行ってきたらしいが、最近、ニューヨーク州ではこれを違法とする判決が出たとの報道がされた。ドライバーを信用できるかどうかというのは安心して乗れるかどうかという点で大事なポイントだ。保険の問題もある。タクシーは旅客運送を前提にした保険に加入しているが、ライドシェアの場合は、ドライバーが加入しているもので事故の際の補償には不安があるかもしれない。

東京でこのアプリケーションを立ち上げると、ハイヤーだけが表示される状況である。これだと東京のタクシー会社が配布しているタクシー呼び出しアプリケーションのほうが便利かもしれない。日本の大都市の場合には流しているタクシーの数も豊富であり、顧客フィードバックや決済などをIoTの活用で便利にすることで十分かもしれない。ただ、あまりタクシーが多くない地域などでは、保険などの問題をクリアしたうえでライドシェアを活用することも検討されてよいだろう。

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