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株主総会集中日は無くなるか?

2016年06月28日

政策調査部 主任研究員 鈴木 裕

明日、29日(水)は株主総会の集中日で、3月決算会社の約32%がこの日に総会を開催する。集中日は次の二つの実務慣行によって決まる。

  • 6月の最終営業日の前営業日であること
  • 当該日が月曜日である場合は、前週の金曜日

株主総会の集中的開催は、株主の権利行使を困難にするものと批判されている。

個人投資家にとっては、経営者の生の声を聴く貴重な機会であるだけでなく、お土産や食事付懇親会を目当てに参加する人も多い。しかし、お土産や食事は、総会会場に足を運べる限られた株主のみが享受できるので、株主間に不平等を生むかもしれないとして、これを取りやめる企業もある。取りやめると参加者が激減するようだ。

機関投資家は、多くの企業の株式に投資しており、議決権行使の事務の負担が短期間に集中する。総会の分散化はこの負担を若干平準化するが、第三集中日までの集中率がさほど変化していないことを見ると、機関投資家の負担感はあまり変わっていないのではないか。

来年2017年は、29日(木)が集中日となるが、前倒ししても月曜日にかからない前日水曜日、前々日火曜日の開催が相当ありそうだ。しかし、分散化のブレーキとなりそうな要因もある。一つは、分散化の進展自体が、一層の分散化の必要性を減じるということだ。他社が他の日程に移るなら、あえて集中日を避けなくても、投資家に不便をかけるわけではないからだ。分散化を阻むもう一つの理由は、監査の時間確保の要請が高まっているということだ。不正会計の発覚以来、監査に際しての職業的懐疑心が改めて強調されるようになっている。このため、時間を掛けた監査を行うには、総会期日の前倒しは難しくなり、どうしても6月終わり頃に各社の総会が詰め込まれるようになるかもしれない。決算日と議決権行使の基準日をずらせば7月開催という奥の手もあるが、現状ではなかなか使われにくそうだ。

しかし、解決すべき課題が、機関投資家の議決権行使事務処理の時間確保にあるとすれば、総会日の分散化だけが答えではない。総会に関連する情報を早めに公表するような取り組みが考えられる。実際、早期公表に踏み切る企業も増えつつあるが、一層の対応が期待されよう。「日本再興戦略2016」でも総会日程などの設定の在り方について、「関係者の意識と行動変化を促す」とある通りだ。

近年の株主総会集中率の推移

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