バランスが取れた再生可能エネルギーの導入促進
2013年11月13日
東日本大震災以降、再生可能エネルギーの導入が進んでいる。日本の電力生産を支えてきた石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料は、将来的に枯渇する可能性があり、二酸化炭素の排出などで地球環境に悪影響を与えることも懸念されている。また、将来の主役になると想定されていた原子力については、東京電力福島第一原子力発電所の事故による影響で、その他の原子力発電所の操業も限られており、中長期的な利用が不透明な状況にある。クリーンな電源である大規模水力については、国内の開発余地は限定的であるものの、一方、再生可能エネルギーは拡大のポテンシャルが大きく、環境問題にも対応できるということで、今後もその普及が進展していくことが予想される。
大規模水力を除く再生可能エネルギーには、太陽光、地熱、風力、バイオマス、小水力などがある。2012年7月に開始された固定価格買取制度(FIT)がその導入を拡大するために重要な推進策になっている。再生可能エネルギーによる電気の全量について、電力供給の開始から一定期間(電源種によって10~20年間)、一定金額で電気事業者が買い取ることを義務付ける制度である。
再生可能エネルギーによる発電は増加傾向にあるものの、総発電電力量に占める割合は1.6%(2012年度)にすぎない。過去10年間の推移で見ると、先行していた地熱とバイオマスが伸び悩み、太陽光と風力による発電量が近年増加している。10年間で約2.5倍(平均年率10%増)になっているが、総発電電力量の9割近くを占める化石燃料と比べると、依然として低い水準にある。
大きな電力量を確保するには、できる限り多くの種類の再生可能エネルギーにおいて導入拡大を図る必要がある。ただし、開発期間に長短があるため、発電量における寄与度には時間差が生じるであろう。まず、太陽光が大きく先行することが予想される。導入までの開発期間を短縮するための政策も検討されているが、現状の想定では、数年程度遅れて風力やバイオマスが続き、地熱は10年程度遅れて増加することが考えられる。
注意すべきこともある。太陽光や風力は天候に大きく依存しており、その発電量を人為的に制御するのは難しい。電力は需要と供給を常にバランスさせる必要があるため、再生可能エネルギーによる発電量の変動は他の電源によって吸収されなければならない。太陽光や風力に対する依存度が高くなると、出力調整の負荷が全体の発電効率を下げ、コスト高になるという懸念が生じる。送配電や蓄電などでも工夫し、電力供給の安定化を図ることが求められる。
また、再生可能エネルギーの普及で先行するドイツなどでは、FITによる高い買取価格を埋め合わせるために家庭や企業の電気料金が高騰している。日本でも再生可能エネルギーの普及率が高まり電気料金が大幅高になれば、消費者負担が増すだけでなく、製造業の国際競争力の低下にもつながりかねない。資源枯渇や環境への影響だけでなく、電力供給の安定化や電気料金の適正化などの観点でもバランスを取りながら、再生可能エネルギーを普及させることが重要である。
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