設備投資の停滞を打開したい
2013年08月22日
4-6月期のGDP成長率は、日本経済が消費税率引き上げに耐え得る状態に近づいているかどうかを推し量る意味で注目された。結果は、前期比年率+2.6%と、3四半期連続のプラス成長となったが、予想外に低かったという印象は否めない。それでも新興国の減速など外部環境が必ずしも万全ではない中で、円安にサポートされた輸出が健闘したと評価できる。問題はやはり内需にあって、個人消費は堅調に推移したが、民間設備投資は6四半期連続の減少となった。企業の投資意欲がなかなか前面に現れてこない点が、もっとも気掛かりである。ちなみに前期比ベースで6四半期にわたって設備投資が減少したのは、2000年代では、リーマンショック前後の2008年4-6月期~2009年7-9月期と、ITバブル崩壊後の2001年1-3月期~2002年4-6月期であり、いずれも世界的な景気後退の中で生じている。
現在の世界経済の状況は、総体として後退局面にあるわけではなく、日本企業の業績は急回復している。その中で、設備投資の減少が続いているのは、日本企業がアベノミクスの効果に期待を寄せる一方、いまだに慎重姿勢を崩していない表れと見るしかない。ただ、輸送機械のように国内よりもむしろ海外で設備投資を積極化し、内外の投資額が逆転している産業がある一方、電気機械のように今のところ内外の設備投資が停滞している産業もあり、投資姿勢は産業によってさまざまである。
企業が増益を続ける限り、マクロ的にも設備投資はいずれ拡大に転じるとみるのが自然だが、ビジネスの主戦場が新興国など海外市場に移っている現状を考えると、設備投資は海外で増えたとしても、国内での回復ペースは、過去の景気回復局面と比べてずっと緩慢なものになるかもしれない。それを打開するには、金融緩和だけでなく、法人税率引き下げ、広域FTAへの積極的な参加、規制改革などの政策を確実に実行し、国内のビジネス環境を改善する必要があることは言うまでもない。また企業も政策に頼らずアニマルスピリットを発揮して投資に前向きになることが期待される。


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