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『CPI(耐久財除く総合)』の試み

2013年03月07日

市川 正樹

1990年度以降のCPI(消費者物価指数)の動きを十大品目別に見ると(下図)、過去において価格水準がかなり高く、逆に言えば最近までの著しい価格低下が目立つのは「家具・家事用品」と「教養娯楽」である。(なお、「教育」の2010年度における急激な変化は、高校授業料無償化等による特殊要因とみられる。)

「教養娯楽」を更に細かく見ると、2010暦年を100として、過去に1000を超えているケースがある。例えば、「パソコン(ノート型)」の4382.8(2000年度)、「パソコン(デスクトップ型)」の2247.2(2000年度)、「カメラ」の3310.1(1976年度)、「ビデオカメラ」の1374.7(1991年度)がある。これらは、その時点から急激に低下して2010年度には100程度となり、最近は更に50~70程度にまで低下を続けている。「パソコン(ノート型)」の2000年度から2011年度までの平均低下年率は68.8%にもなる。こうした品目は、より大きな分類では「教養娯楽用耐久財」に入り、この分類の指数は1970年度に1352.3だったものが、1978年度に1663.9まで上昇し、その後低下を続け、2011年度は69.6にまで落ちている。

「家具・家事用品」においても、「家事用耐久財」の過去の指数は非常に高い。更に細かい品目別では、例えば、「電子レンジ」の933.3(1980年度)、「電気冷蔵庫」の1158.1(1981、1982年度)、「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の983.8(1975年度)などのケースがある。「家事用耐久財」全体では、1970年度に333.9だったものが、1981年度に530.3まで上昇し、その後急速な低下を続け、2011年度は74.7にまで落ちている。

こうした急速な指数の低下は、これらの品目では技術進歩が著しく、これを反映させるべく「品質調整」等(※1)が行われたことなどのためと考えられる。ただし、こうした調整の重要性・正当性を否定するものでは全くなく、現在のCPIは依然として有用であると考える。

しかしながら、上記のような品目は、他の品目と明らかにその動きや要因が異なる。そこで、「生鮮食品」や「食料(酒類を除く)・エネルギー」と同様に、「除く総合」を算出してみるとどうなるだろうか。ただし、5年ごとの基準改定があり、時系列データは品目の指数ごとに接続されていることから、品目変更を含むウェイトの整合性などはとれないため、あくまでも誤差を含む大まかな「試み」にすぎない。最近4年間の前年度比変化率では、

となり、後者ほど、少しずつ変化率は高くなり、大きなものでは0.7ポイント程度の差がある。

耐久財についても「除く」指数を参考までに作成してみることは、消費者物価の基本的動向を多面的に見る上で参考になるかもしれない。

(※1)特に、パソコン及びカメラについては、ヘドニック法によりハードディスクやメモリの容量などを反映させている。総務省統計局『平成22年基準 消費者物価指数の解説』平成23年8月、pp.41-42「付1 ヘドニック法によるパソコン及びカメラの品目別価格指数の算出」参照。

CPI(十大品目)の推移
(年度平均、2010暦年=100)
CPI(十大品目)の推移 (年度平均、2010暦年=100)
 (出所)総務省「消費者物価指数」の時系列データ、年度平均、中分類指数より大和総研作成

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