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オバマ大統領でドルはどう動くのか

2008年11月10日

亀岡 裕次

米大統領選挙では、民主党候補のオバマ上院議員が勝利し、2009年1月20日に第44代大統領に就任することとなった。また、同時に実施された連邦議会選挙でも、改選前に上下両院で過半数を占めていた民主党が議席数をさらに増やした。

1973~2007年の35年間について振り返ると、米大統領選挙の年は、円に対するドル高確率が50%(4回/8回)であり、比較的ドルは堅調に推移しやすい。2008年、ドルは円に対しては下落しているが、ドルの実効為替レート(対主要通貨)は年初に比べて12%ほど上昇しており、過去の経験則に即した結果となりそうである。一方、米議会上院・下院とも民主党が過半数を占めるケースでは、円に対するドル安確率が71%(12回/17回)と高い。今年は、円に対してはドル安だが、実効為替ベースではドル安になりそうにない。

ただし、来年はドル安の可能性が高まるかもしれない。上下両院ともに民主党支配で、大統領までもが民主党のケースは、過去に1977~80年(カーター政権)と1993~94年(クリントン政権)の6年あるが、そのうち5年はドル安に終わっている。「米政府・議会のオール民主党支配ではドル安」との経験則が、2009年についても生きるのか注目される。

オバマ氏は中国の巨額の対米貿易黒字の原因を人民元相場の操作にあるとするなど、他国の通貨安に強硬な態度を示している。また、北米自由貿易協定(NAFTA)の改正を主張し、米韓FTAに反対するなど、現在のブッシュ政権に比べ明らかに自由貿易に否定的である。次期オバマ政権が、苦境に立たされている米国産業界のために保護貿易主義色を強め、「強いドル」を志向しなくなる可能性は十分にあるだろう。

なお、過去35年間のうち、議会を共和党と民主党のどちらが支配しても米景気回復確率に差はないが、「大きな政府」を志向するといわれる民主党支配の方が共和党に比べ、株高確率がやや低く、財政赤字拡大や長短金利差拡大の確率がやや高い。しかし、その一方で、民主党の大統領の方が共和党に比べ、株高確率がやや高く、財政赤字拡大や長短金利差拡大の確率が圧倒的に低いのも事実である。つまりは、米国経済は支配政党よりも大統領の政策方針に大きく依存するということではないか。

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