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資源ブームと地球の未来

2006年09月26日

山田 雪乃

資源相場がジェットコースターのように振幅している。銅は5月11日には8,800ドルをつけ、06年年初の4,542ドルから約2倍へ高騰した。また、わずか2年前には20ドル台にあった原油(WTI)は、8月7日にはついに76.98ドルの高値へ上昇した。

が、足元では、銅は高値から15%安、原油は21%安の下落となっている。このような動きの渦中にあれば、熱狂的な「資源ブーム」がピークをつけ、この先はバブル崩壊?との連想が働くかもしれない。

だが、目先の動きに惑わされず、ゆったりと地球全体を見渡せば、これから先、益々資源需要が高まっていくことは確実に思われてくる。

注目のBRICs4カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国)では、1995年から2004年までの9年間で、銅鉱生産量が11.5%増加したのに対して、銅地金の消費量は153.4%増加し、自給率は78.7%から34.6%に低下した。人口増加国での巨額のインフラ投資の先には、消費拡大が待ち受けていよう。

世界へ視野を広げてみると、1950~2000年の過去50年間で、世界人口は25.2億人から60.7億人へ約2.5倍となった。この間、石油消費は38億バレルから276億バレルへ約7倍、鉄鋼生産は約4倍、アルミニウム生産は約15倍、発電量は約21倍、自動車登録台数は約10倍となっている(『成長の限界-人類の選択』2004年)。

では、次の50年はどうなるだろうか。「消費者」の数が、加速的に増加していくことは明らかだろう。世界人口は2000年の60億人から50年後には90億人へ増加する見通しである(国連の中位推計)。2000年時点の主な「消費者」は、先進国の約10億人と工業製品を大量に買い始めている「ニュー・コンシューマー」約10億人を合わせた計20億人であった。2050年には世界人口90億人のうち、約20億人の非常に豊かな消費者と約40億人のニュー・コンシューマーが消費者層に相当するとみられている(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)。

さらに、ビジネスサイドから見れば、消費者としてカウントされていない貧困層すら、消費者層へ変貌する可能性を秘めている。1日2ドル未満で生活する約40億人の貧困層こそ、今後急速に成長する魅力的な市場だと指摘する「次世代ビジネス戦略」も出現しているのだ(『ネクスト・マーケット』2005年)。

世界中に埋もれている一人ひとりの欲望-おいしいものが食べたい、家でゆっくりテレビを見たい、かっこいい車に乗りたい-を何らかの力で抑制できるものだろうか。世界人口が増加し続ける中で、消費者層が急激に膨らんでいく先には、資源に対する膨大な需要が待っているのではないだろうか。同時に、限りある資源の効率的利用に対して、真剣に向き合っていかなければならない時期も到来していよう。

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