大和の中国投資情報 10月号 今月号の視点 「過熱と冷却を巡る解釈と混乱」
2004年10月20日
中国が日本のみならず世界に与える影響力はますます大きくなりつつあります。香港、北京、台北など中華圏にリサーチ拠点を有する大和総研では、重要性が増した中国経済・株式を分析する月刊「大和の中国投資情報」を発刊しております。
今月号の視点
10月13日、中国の銅消費量が予想外に減少していたというニュースをきっかけにロンドン商品取引所の銅先物価格が急落した。非鉄株は世界的に大きく下落し、この流れは日本市場にも波及、鉄鋼、非鉄、海運株などいわゆる中国関連銘柄の調整を引き起こした。この銅消費の統計は7月の実績を表したものだったが、3ヶ月も前の結果を基に将来を映す鏡である株価、商品市況が振り回されるほど、市場は中国経済の動向に対して極めて神経質になっている。ただ、このところ中国経済に関する統計は、強弱の結果が入り混じっており、その解釈は簡単ではない。政府当局の意図した過熱抑制策の浸透、冷却の行き過ぎた状況、そして再加速の兆しと様々な姿が見て取れるため、ソフトランディング路線に狂いがないと見て良いかどうか、市場の判断もなかなか定まり難いということだろう。
過熱抑制策の効果は、固定資産投資の伸び率に明確に表れており、1-2月の前年比53%増から、8月には30%増へと低下している。冷却の行き過ぎの代表格は、マネーサプライ、銀行貸出などの信用量であろう。M2の伸び率は政府目標である17%増を6月以降3ヶ月続けて下回り、8月は13.6%増へ低下している。再加速の兆しは、9月以降の国際商品市況の急回復として表れていたが、その一部は冒頭のように調整されるに至った。しかし、不定期船運賃の指標であるバルチック・ドライ指数が10月に入り再び緩やかに上昇し始めていることから、中国向けの石炭や鉄鉱石などの荷動きが活発化しているものと思われる。こうした状況からいえる事は、中国経済は着地点と呼ぶにはまだ成長率が高過ぎるため、さらなる固定投資の減速が必要ということ。おそらく年内は高成長を持続し、商品市況をサポートするだろう。いずれ行政主導による投資抑制策から、利上げという市場機能を活用した政策へ軸足を移行する可能性はあるが、今のところ引き締め政策の舵取りにおいて中央銀行に主導権は移っていないようだ。
今月号の視点
10月13日、中国の銅消費量が予想外に減少していたというニュースをきっかけにロンドン商品取引所の銅先物価格が急落した。非鉄株は世界的に大きく下落し、この流れは日本市場にも波及、鉄鋼、非鉄、海運株などいわゆる中国関連銘柄の調整を引き起こした。この銅消費の統計は7月の実績を表したものだったが、3ヶ月も前の結果を基に将来を映す鏡である株価、商品市況が振り回されるほど、市場は中国経済の動向に対して極めて神経質になっている。ただ、このところ中国経済に関する統計は、強弱の結果が入り混じっており、その解釈は簡単ではない。政府当局の意図した過熱抑制策の浸透、冷却の行き過ぎた状況、そして再加速の兆しと様々な姿が見て取れるため、ソフトランディング路線に狂いがないと見て良いかどうか、市場の判断もなかなか定まり難いということだろう。
過熱抑制策の効果は、固定資産投資の伸び率に明確に表れており、1-2月の前年比53%増から、8月には30%増へと低下している。冷却の行き過ぎの代表格は、マネーサプライ、銀行貸出などの信用量であろう。M2の伸び率は政府目標である17%増を6月以降3ヶ月続けて下回り、8月は13.6%増へ低下している。再加速の兆しは、9月以降の国際商品市況の急回復として表れていたが、その一部は冒頭のように調整されるに至った。しかし、不定期船運賃の指標であるバルチック・ドライ指数が10月に入り再び緩やかに上昇し始めていることから、中国向けの石炭や鉄鉱石などの荷動きが活発化しているものと思われる。こうした状況からいえる事は、中国経済は着地点と呼ぶにはまだ成長率が高過ぎるため、さらなる固定投資の減速が必要ということ。おそらく年内は高成長を持続し、商品市況をサポートするだろう。いずれ行政主導による投資抑制策から、利上げという市場機能を活用した政策へ軸足を移行する可能性はあるが、今のところ引き締め政策の舵取りにおいて中央銀行に主導権は移っていないようだ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
上場オーナー企業と公開買付制度・大量保有報告制度の見直し
2026年5月1日に大量保有報告書等の提出義務が発生する場合も
2026年05月15日
-
デジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルをめぐる取組みと実装技術の論点整理(第1部)
デジタルアイデンティティの基本像と、EUDIウォレットにみる制度化・実装動向
2026年05月14日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、わが国では潜在成長率が低迷しているのか?
高市政権は成長戦略を強化する方針だが、①労働、②資本、③TFP(全要素生産性)という3つの要素をバランス良く底上げする必要
2026年05月13日
-
AIが変える議決権行使助言業
中立性・客観性確保のための利用を訴求へ
2026年05月13日
-
中東リスクがASEAN進出企業に与える影響の差は、どのように生じているか?
2026年05月15日

