サマリー
◆ユーロ圏の2025年7-9月期の実質GDP成長率(速報値)は、前期比+0.2%(前期比年率+0.9%)となった。市場予想(Bloomberg調査、以下同:前期比+0.1%)を上回ったことは前向きに評価できる一方、成長率自体は決して高いわけではなく、ユーロ圏経済の成長は4-6月期(同+0.1%)に続き7-9月期も緩やかなものに留まった。
◆国別の内訳を見ると、ユーロ圏20ヵ国のうち成長率が公表された12ヵ国中、7ヵ国がプラス成長、3ヵ国がマイナス成長、2ヵ国が横ばいとなった。プラス成長になった国では、ポルトガルの成長率が前期比+0.8%と最も高く、これに次いでスペインが同+0.6%と高かった。加えて、フランスが同+0.5%と、2023年10-12月期以来の高成長となったことが、ユーロ圏全体を押し上げた。
◆他方、ドイツ、イタリアの成長率は前期から横ばいとなった。両国とも4-6月期がマイナス成長であったことを踏まえれば、状況が悪化したわけではないが、ユーロ圏1位、および3位の経済規模を持つ両国の停滞は、4-6月期に続いて7-9月期もユーロ圏経済の重しとなった。
◆GDPと同日に公表された10月のユーロ圏景況感指数(総合)は、前月差+1.2ptと大幅に改善した。水準は96.8と2023年4月以来の高さであり、10-12月期の成長率の加速を期待させるスタートとなった。内訳では、とりわけ鉱工業が前月差+1.9ptと大きく改善しており、鉱工業を中心としたマインド改善の動きは、企業の設備投資の増加を通じて、ユーロ圏経済の成長率を押し上げる要因になると見込まれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 中東情勢が下振れリスクに
エネルギー価格上昇の影響は既に顕在化、金融政策はタカ派シフト
2026年03月24日
-
欧州経済見通し 財政拡張の効果が拡大
ドイツ製造業受注が急増し、製造業の景況感も改善
2026年02月24日
-
10-12月期ユーロ圏GDP 内需主導で成長加速
主要国が揃ってプラス成長、市場予想から上振れ
2026年02月02日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

