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カラーフィルター不足が深刻化する液晶市場

2004年01月21日

杉下 亮太

液晶パネル市況は当初の予想以上に堅調である。15インチのモニター用パネル価格が上昇し始めてから丸1年が経過した。これは、(1)液晶モニター・ノートPCとも当初想定以上に出荷数量が増えた、(2)モニターは15インチ→17インチ、ノートPCでは14.1インチ→15インチという大型化が進んだ、(3)液晶テレビ市場が急速に立ち上がり始めた、などの需要サイドの要因に加えて、供給サイドでも(4)サムスンが5G工場の歩留まり改善に苦心した、(5)SARSの影響もあって台湾メーカーの5G工場立ち上げ時期もやや遅れた、といった要因が加わり、需給逼迫が続いたためである。

02年末の底値から価格上昇が約4割に達し、かつPC需要が季節的に減退する時期となったことで、さすがにここにきて市況上昇には一服感が台頭している。2月の価格は前月比フラットで決着する可能性が高い。また、早ければ3月にもパネル価格の下落が始まるとの見方も出始めた。しかしながら、市況軟化は以前考えていたほど深刻化しないものと考えている。主要部材であるカラーフィルター(CF)不足が深刻化したことで、液晶パネルの増産ピッチが遅れる可能性が強まっているためである。

CF不足は、メーカーの投資時期がパネルに比較して元々遅れていた上に、技術的な問題からラインによっては歩留まりが低水準にとどまっているのが原因と見られる。現在、CFは2-3割不足しているといわれるが、CFメーカーの増産計画は進んでおらず、台湾の液晶メーカーが取り組み始めた内製化ラインも、経験の長いチーメイを除くと、十分な歩留まりを出せるようになるには相当な時間がかかるだろう。

したがって、CF不足は当面続く見込みである。この結果、04年の液晶パネルの供給増は当初想定を下回る見通しが強まっており、パネル市況も緩やかな下落にとどまる可能性が高い。

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