2023年09月12日
サマリー
◆岸田政権下における金融経済教育を巡る議論からは、さらに幅広い層に提供するために、企業等の「職域」に加えて、「地方」での取り組みの推進を重視する姿勢がうかがえる。
◆地域別の金融リテラシーや金融行動の特徴を分析すると、金融リテラシーが低く、投資信託の購入経験がある人の割合が低い地域として、北海道・東北・九州地方の道県が多く浮かび上がる。また、金融行動には、地域差が相応にあることも示唆されており、今後、要請が見込まれる「地域の社会的・経済的状況に応じた資産形成の支援に関する取り組み」を進める上で、まずはこのような地域差を知ることが重要と思われる。
◆地域銀行の金融経済教育の取り組み状況をみると、学生向けの取り組みに偏重しており、今後、職域や社会人向けの取り組みを推進することが重要となるだろう。さらに、英国をはじめとした海外の先進事例にならい、金融経済教育を巡る関係主体とその役割の明確化が地方においてなされることも期待される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
金融リテラシーに係る制度の今後の見通し
「基本方針」やアドバイザー制度の具体化などが次の焦点か
2023年05月08日
-
新たなアドバイザー認定制度と金融リテラシー向上を巡る議論
投資助言業の登録要件緩和と金融経済教育の推進機構の新設へ
2022年12月20日
-
英・株式型ISA限定のアドバイス制度案導入取りやめと日本への含意
日本の中立的な助言制度案も「商業的な採算性」などの視点が不可欠
2023年08月29日
-
海外の金融経済教育における職域での推進と取組の検証
海外の取組事例と国民の安定的な資産形成実現に向けた日本への示唆
2022年11月24日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日