地方における金融経済教育の課題と期待

地方でも期待される職域での取り組みの推進・関係主体間での連携

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サマリー

◆岸田政権下における金融経済教育を巡る議論からは、さらに幅広い層に提供するために、企業等の「職域」に加えて、「地方」での取り組みの推進を重視する姿勢がうかがえる。

◆地域別の金融リテラシーや金融行動の特徴を分析すると、金融リテラシーが低く、投資信託の購入経験がある人の割合が低い地域として、北海道・東北・九州地方の道県が多く浮かび上がる。また、金融行動には、地域差が相応にあることも示唆されており、今後、要請が見込まれる「地域の社会的・経済的状況に応じた資産形成の支援に関する取り組み」を進める上で、まずはこのような地域差を知ることが重要と思われる。

◆地域銀行の金融経済教育の取り組み状況をみると、学生向けの取り組みに偏重しており、今後、職域や社会人向けの取り組みを推進することが重要となるだろう。さらに、英国をはじめとした海外の先進事例にならい、金融経済教育を巡る関係主体とその役割の明確化が地方においてなされることも期待される。

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