サマリー
◆現状投影シナリオの経済の下、現行制度のままでは、高齢化や医療の高度化による医療・介護費の増加により、2024年度29.6%の社会保険料率は2040年度には32.9%に上昇する。また、年金の所得代替率は同期間で61.2%から52.3%に低下する。
◆必要な社会保障給付を維持しつつ、社会保険料率を安定化させるためには、「賦課ベース拡大」と「給付費適正化」が必要だ。本稿の試算では、年金・医療・介護の全分野で「超改革」を行った場合、国民が医療の高度化等の恩恵を受け年金の給付水準を維持しつつ、2040年度の社会保険料率を25.6%(高成長シナリオ)~29.2%(現状投影シナリオ)と、現在よりも低い水準で安定化させられる結果となった。
◆こうした道筋を示せれば、現役世代の将来不安は大きく低減し、家計の可処分所得と消費は向上し、経済の好循環が動き始めるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
第225回日本経済予測
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年05月22日
-
人口減少下でも成長率+1%超の継続は可能
成長力強化だけでなく社会保障・財政問題への対応も不可欠
2025年05月29日
-
改革なくして財政健全化なし
PB黒字化には成長力強化に加えて様々な改革が重要
2025年05月29日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年8月消費統計
サービス消費が強く、総じて見れば前月から小幅に増加
2025年10月07日
-
財政悪化が日本経済にもたらす影響とリスクの定量評価
成長力強化と財政健全化で将来の財政危機発生リスクの抑制を
2025年10月07日
-
日本財政の論点 – PB赤字と政府債務対GDP比低下両立の持続性
インフレ状態への移行に伴う一時的な両立であり、その持続性は低い
2025年10月06日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日