必要な社会保障給付の維持と保険料率の安定化を両立せよ

「賦課ベース拡大」と「給付費適正化」の両面から改革が必要

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2025年05月29日

サマリー

◆現状投影シナリオの経済の下、現行制度のままでは、高齢化や医療の高度化による医療・介護費の増加により、2024年度29.6%の社会保険料率は2040年度には32.9%に上昇する。また、年金の所得代替率は同期間で61.2%から52.3%に低下する。

◆必要な社会保障給付を維持しつつ、社会保険料率を安定化させるためには、「賦課ベース拡大」と「給付費適正化」が必要だ。本稿の試算では、年金・医療・介護の全分野で「超改革」を行った場合、国民が医療の高度化等の恩恵を受け年金の給付水準を維持しつつ、2040年度の社会保険料率を25.6%(高成長シナリオ)~29.2%(現状投影シナリオ)と、現在よりも低い水準で安定化させられる結果となった。

◆こうした道筋を示せれば、現役世代の将来不安は大きく低減し、家計の可処分所得と消費は向上し、経済の好循環が動き始めるだろう。

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